2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790755
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
中田 靖 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 非常勤医師 (20535223)
|
Keywords | 一酸化窒素合成酵素 / 動脈硬化 / 高脂血症 / LDL受容体 |
Research Abstract |
脂質代謝における一酸化窒素合成酵素(NOS)システムの役割は知られていない。この点を、我々が最近に開発に成功したNOSシステム完全欠損マウスを用いて検討した。このマウスに普通食もしくは高コレステロール食を3ヶ月間投与した。高コレステロール食負荷は、NOSシステム完全欠損マウスにおける血漿総コレステロール、LDLコレステロール値を著明かつ有意に上昇させた。この高脂血症の程度は、代表的な高脂血症モデルマウスApoE欠損マウスに匹敵する程であった。高コレステロール食負荷は、NOSシステム完全欠損マウスにおける、大動脈における脂質沈着、粥状動脈硬化性プラーク形成も有意かつ著明に引き起こした。次に高脂血症の機序について検討した。重要なことに、肝臓のLDL受容体の発現レベルは、NOSシステム完全欠損マウスにて有意に低下していた。したがってNOSシステム完全欠損マウスに認められた重症高脂血症の機序の少なくとも一部には、この肝臓のLDL受容体のダウンレギュレーションが関与していることが示唆された。NOSシステムを完全に欠損させると、高コレステロール食負荷に応答して重症高脂血症と粥状動脈硬化が惹起されることを初めて明らかにした。NOSシステムが脂質代謝の恒常性の維持に重要な役割を果たしており、これらにより粥状動脈硬化形成が惹起されることが示唆された。この知見は本研究遂行において、重要な知見と考えられた
|