2009 Fiscal Year Annual Research Report
肥満・糖尿病におけるウィルムス関連タンパク1の役割の解明
Project/Area Number |
21790866
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡崎 由希子 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (30422299)
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Keywords | エネルギー・糖質代謝異常 |
Research Abstract |
Wtap+/-マウスの抗肥満、耐糖能改善のメカニズムの解明 通常食または高脂肪食下での体重増加の推移の追跡した。また解剖を行い、臓器重量や遺伝子発現など解析し、コントロールとWtap+/-マウス間で比較した。 (a)Wtap+/-マウスの肥満抵抗性について、食餌量を測定したが、コントロールマウスと明らかな差を認めなかった。 (b)インスリン負荷試験の結果、Wtap+/-マウスはコントロールマウスと比較して肝臓および骨格筋におけるインスリン受容体シグナル伝達が亢進していることが明らかになった。 (c)3T3-L1前駆脂肪細胞を用いてRNAiによるWtapの発現抑制を行ったところ、脂肪細胞への分化・肥大化が抑制されることが明らかになった。またマクロファージに対する影響を検討するためRAW264細胞を用いてRNAiによるWtapの発現抑制を行ったところ、細胞数の増加が抑制されることが明らかになった。 Cyclin A2、Wtapの各臓器における糖代謝調節メカニズムの解析 (a)肝臓おいて、Wtap+/-マウスとコントロールマウスの組織標本を観察したところ、(i,ii)肝臓における脂肪肝の発症・増悪が著明に抑制されていた。(iii)肝臓マクロファージ数が減少していることが明らかになった。 (b)Wtap+/-マウスの肝臓、骨格筋における遺伝子発現を検討したところ、エネルギー燃焼にかかわる遺伝子に大きな違いは認めなかったが、肝臓において脂質蓄積にかかわる遺伝子の発現誘導が著明に抑制されていた。 以上、Wtap+/-マウスの抗肥満・耐糖能改善のメカニズムの少なくとも一部は、Wtap減少が肝臓および脂肪組織およびマクロファージに影響し、肝臓や骨格筋のインスリン受容体シグナル伝達の亢進をもたらすことなどによるということを明らかにした。
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Research Products
(5 results)