2009 Fiscal Year Annual Research Report
肺胞上皮細胞におけるABCA3トランスポータとイオンチャネルの機能連関の検討
Project/Area Number |
21791041
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松崎 陽平 Keio University, 医学部, 助教 (60327583)
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Keywords | ABCA3 / 肺胞上皮 / イオンチャネル / ハッチクランプ / サーファクタント |
Research Abstract |
肺胞II型上皮細胞におけるCFTRチャネルの機能解析 本年度は、lamellar body限界膜に発現しているイオンチャネルの同定の前段階として、肺胞II型上皮細胞由来のA549細胞でパッチクランプ実験を行い、CFTRチャネルの機能解析を行った。一般に、肺胞II型上皮細胞にはCFTRは発現していないと考えられていたが、一方、II型細胞にもCFTRの発現が認められるという報告もなされている[Brochiero et al,Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 287:382-392,2004など]。私の初年度のパッチクランプ実験では、ヒト肺胞II型上皮細胞由来のA549培養細胞にcAMP活性化Cl^-電流(CFTR電流)は観測できなかったが、A549細胞は細胞株樹立の過程においてCFTR発現能を失った可能性もあると考えられた。そこでA549細胞にCFTRを強制発現させたところ、ホールセルモードでForskolin投与(細胞内cAMP上昇)により活性化されるCFTR電流が得られた。またこのCFTR電流は、CHO細胞に発現させた場合と異なり、Forskolin投与中止により速やかに不活性化された。このことは、A549細胞ではCFTRはPKAとPhosphataseによって二重に活性制御されている、つまりA549細胞は本来のCFTRの活性制御機構を保っている可能性を示唆している。 今後、マウスから肺胞II型細胞を採取し、パッチクランプ実験を行う予定である。
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Research Products
(3 results)