2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺悪性腫瘍に対する凍結融解療法の成績向上,普及に向けて:至適条件の解明と臨床応用
Project/Area Number |
21791214
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 政則 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30338157)
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Keywords | 凍結治療 / 肺腫瘍 / インターベンショナルラジオロジー / IVR / 癌 / 放射線科学 |
Research Abstract |
肺腫瘍の凍結療法では凍結融解過程を複数回行うことが試みられている.このため至適な凍結条件を検討する必要がある.今回の実験では豚肺を開胸して11-gaugeの凍結用凍結プローブ(Endocare,Irvine,USA)を用いて凍結-融解実験を計10回行った。凍結-融解サイクルは、肺における臨床と同様に、最初の凍結時間を5分、2,3回目の凍結時間を10分とした。温度計測は、K-typeの熱電対を用い、データロガ(Pico Technology, UK)で40点同時に5秒おきに測定した。凍結プローブを中心に挿し、熱電対をその中心からそれぞれ4,6,8,10mmの位置に4本ずつ,さらに13,15,17mmの位置に8本ずつ、アクリル製の装置(Yokohama Micro Giko, Japan)を使用し固定した.この結果を等温度曲線と凍結関数を用いて検証した。凍結関数は下記の式の如く定義し、実験データにa,b,cをフリーパラメータとして最小自乗法でフィットさせた。この凍結関数は非線形関数であるが、時間が無限大のとき第1項はゼロとなって切片cに収束し、これはiceballの凍結限界の大きさに相当する。その結果、等温度曲線では凍結面積が第2,3サイクルでは拡大し,さらに第1サイクルと比較して第2,3サイクルでは、凍結特性が大きく異なり,c値が大きくなる事が実証された。肺では1回目のサイクルにより出血した血液が肺内部に浸潤することで熱物性が変化すると考えられる.出血した血液が肺内部に浸潤することで熱伝導率が上がり、密度が高くなると推定される。したがって、熱伝導理論計算において、肺組織よりも熱伝導率が高く、密度が高い値を用いた計算を行った。その結果、第2,3サイクルより大きく凍結することが分った。この点からは実際の治療では,3サイクル行うことが妥当である事が示された. 凍結関数:f(t)=aexp(bt)+c(a,b<0,c>0)
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Research Products
(2 results)