2011 Fiscal Year Annual Research Report
肺悪性腫瘍に対する凍結融解療法の成績向上,普及に向けて:至適条件の解明と臨床応用
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21791214
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 政則 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30338157)
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Keywords | 凍結治療 / 肺腫瘍 / IVR / 放射線科学 / 癌 |
Research Abstract |
【1】凍結治療の最適プロトコールの検討:熱電対を凍結端子に固定し,豚肺実質に刺入し凍結実験を行った.凍結端子から4,6,8,10mmの部位の温度を連続して測定した.プロトコール1:凍結/解凍3サイクル,凍結は400秒,解凍は0℃までとした.プロトコール2:凍結/解凍3サイクル,第1凍結は400秒,第2,3凍結は温度が一定になるまで,解凍はいずれも温度が一定になるまでとした.第1サイクルの解凍時には出血がみられた.いずれのプロトコールでも後半のサイクルで温度が下がる傾向にあり,特に第1と第2サイクルでは10mmの熱電対では有意に温度に差がみられた.プロトコール間の比較では,10mmにおける平均最低温度には有意差はみられなかったが,第2サイクルでの凍結時の温度低下はプロトコール2で急峻であった.凍結治療において凍結時に急激に温度低下を得る事が重要であり,プロトコール2の方が有利である可能性がある.【2】凍結融解治療において豚の正常肺におけるiceballの凍結面の成長について、理論・実験の両面から解析を行った。体内におけるiceballには、穿刺点の低温と周辺の熱源との熱バランスから、凍結限界があることを理論的に予測した。さら凍結特性を解析するために、時間に対するiceballの凍結面の半径長を表す凍結関数をf(t)=a exp(bt)+c(a,b<0,c>0)と定義し,実験データにa,b,cをフリーパラメータとして最小自乗法でフィットさせた。凍結関数は非線形関数であるが、時間が無限大のとき第1項はゼロとなって切片cに収束し、これはiceballの凍結限界の大きさに相当する。この凍結関数を用いた解析の結果、豚肺後葉の1回の凍結において約5分でiceballは平衡状態になり韻掟された凍結限界は約10mmであることが分かった。
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Research Products
(4 results)