2010 Fiscal Year Annual Research Report
PET/CTと高分解能心臓CTでの不安定プラークの検出とサイトカインの関連
Project/Area Number |
21791225
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
甲斐田 勇人 久留米大学, 医学部, 助教 (40299425)
|
Keywords | 放射線 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
この研究の目的は頚動脈の不安定プラークが疑われるPET/CT検診者対象に高分解能心臓CTを施行し、頚動脈の不安定プラークへの<18>^F-FDG集積と冠動脈の不安定プラークの関係を検討し、これらとプラーク形成や破綻に関与するサイトカインとの関係について血清マーカーを用いて明らかにする事にある。この研究の初年度の患者数は10人前後であったが、初年度と今年度を併せて31名まで患者数を増やす事ができた。血液検査の内容については前年度同様にadiponectin,PAI-1,高感度CRP,MPO,ADMA,PTXを行い、さらにFDG集積の評価はSUV maxとLuddらが提唱しているTBRを用いて検討している。現在、FDG集積とこれら血清マーカーとの関連性についての詳細な統計学的解析は患者数が増えてきたため、今後施行していくが、傾向としては昨年同様に基本的には高感度CRPが高いものほどFDG集積が高い傾向にはあるが、MPOについては頸動脈プラークへのFDG集積と関連性が少ない印象である。Luddらはadiponectin,との関連性を報告しているが、これについては現在検討中である。心臓CTの施行に関しては明らかな胸部症状を訴える患者がいなかった事や心エコー等でも心機能が保たれている患者が多かった事もあり、施行した患者はいなかった。この2年間の研究で31名中1名が狭心症と診断されていることからPET/CT検診者で不安定プラークを持っていた場合に虚血性心疾患を起こす患者の割合は少ない可能性も考えられるが、新たな動脈硬化のバイオマーカーと<18>^F-FDG集積の関連性が見いだされば動脈硬化へのFDG集積機序の新たな発見につながる可能性もあり、来年度はこの点にも注目して検討していきたいと考える。
|