2011 Fiscal Year Annual Research Report
PET/CTと高分解能心臓CTでの不安定プラークの検出とサイトカインの関連
Project/Area Number |
21791225
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
甲斐田 勇人 久留米大学, 医学部, 助教 (40299425)
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Keywords | 放射線 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
この研究の目的は頚動脈の不安定プラークが疑われるPET/CT検診者対象に高分解能心臓CTを施行し、頚動脈の不安定プラークへのFDG集積と冠動脈の不安定プラークの関係を検討し、これらとプラーク形成や破綻に関与するサイトカインとの関係について血清マーカーを用いて明らかにする事にある。この研究の初年度の患者数は31人前後であったが、初年度,前年度、最終年度を併せて80名まで患者数を増やす事ができた。血液検査の内容については前年度同様にMDA-LDL、adiponectin、PAI-1、高感度CRP、MPO、ADMA、PTXを行い、FDG集積の評価はLuddらが提唱しているTBRを用いて検討している。FDG集積(TBR)とこれら血清マーカーとの関連性、さらにはFDG集積と一般生化学検査や頸動脈エコー所見、BMIとの関連性も加えて統計学的解析をおこなった。血清マーカーとの関連についてはMDA-LDL(r=0.466,P=0.008)、高感度CRPでは(r=0.402,P=0.025)と有意な相関をみとめた。また、multiple stepwise regression analysisでは高感度CRPがP=0.078,MDA-LDLがP=0.008と頸動脈のTBRはMDA-LDLと関連が深いことがわかり、頸動脈のFDG集積が強いほどMDA-LDLの発現が強い事がわかった。また、ADMAについてはr=0.287,p=0.118とFDG集積が強いほどADMAの発現が強い傾向が見られたが、有意ではなかった。他のadiponection、PAI-1、MPO、PTXは関連がみられず、また、年齢、性別、頸動脈のIMT,血圧、肝機能(AST,ALT,γGTP)、血糖値、中性脂肪、コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、eGFR、尿酸値、HbA1cでは有意差がえらなかった。BMIについては頸動脈のTBRが高いほどBMIが高い傾向にあったが、有意差は見られなかった。また、心臓CTについては80例中2名に負荷心電図で異常が得られなかったため、2名心臓CTをおこなったが、2名とも有意狭窄は得られず、不安定プラークの有意な所見は得られなかった。頸動脈のFDG集積と冠動脈不安定プラークとの関連性についてははっきりした所見は得られなかった。
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