2009 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病に伴う高次脳機能障害臨界期と機能回復の生体脳分子イメージング
Project/Area Number |
21791229
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
永井 裕司 National Institute of Radiological Sciences, 分子イメージング研究センター, 技術員 (20415409)
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Keywords | パーキンソン病 / 高次脳機能障害 / ポジトロンCT / トランスルーショナルリサーチ |
Research Abstract |
パーキンソン病患者において障害される認知機能は、遂行機能、作業記憶、視空間機能と考えられているが、出現時期や詳細なメカニズムは明らかではないため、パーキンソン病モデルサルを用いて認知機能障害の出現時期と脳内ドーパミン神経の関連について検討を開始した。本年度対象どした認知機能は作業記憶で、モデル作成前、パーキンソン病様症候発現前・後に評価を行った。特にパーキンソン病様症候発現前において認知機能障害が認められるかどうかに重点をおいた。パーキンソン病様症候発現時期の同定は、ポジトロンCT(PET)によるドーパミントランスポーター密度の定量的評価および行動学的評価(症候観察と自発運動量測定)により行った。過去の自験結果からドーパミントランスポーター密度はモデル作成前の約15%、自発運動量が約30%まで低下したときに振戦が出現することを確認しており、これを利用して運動症状発現時期、特に運動症状発現前の同定を試みた。その結果PETおよび自発運動量測定による運動症候発現時期の同定はうまくいった。一方、作業記憶を評価する課題をモデル作成前に訓練した後、モデル作成過程の各時期で評価を行ったところ、個体間のばらつきが大きく、狙っていたパーキンソン病様症候発現前において障害が認められない個体が散見された。これらのことから次年度は認知機能評価課題の改良を重ね、より敏感に障害を検知できる課題を構築しドーパミン神経との関連を探っていく。
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