2010 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病に伴う高次脳機能障害臨界期と機能回復の生体脳分子イメージング
Project/Area Number |
21791229
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
永井 裕司 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (20415409)
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Keywords | パーキンソン病 / 高次脳機能障害 / ポジトロンCT / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
パーキンソン病はいくつかの運動症状を主徴とする神経変性疾患の1つで、黒質線条体を中心としたドーパミン神経の進行的変性・脱落が最も関係深いと考えられている。またパーキンソン病患者は運動障害に加え認知機能障害や情動障害も認められることがある。これら様々な症状は線条体の機能的部位におけるドーパミンとの関係が示唆されている。つまりパーキンソン病の病態を理解する上で機能的に区分された線条体のドーパミン機能異常と病態との関係を調べることが重要である。前年度、MPTP反復投与PDモデルサルを用いて認知機能障害について評価をしたが十分な結果が得られなかったため、より鋭敏に認知機能障害を検出できる課題へ改良を重ねていた。同時に認知機能障害とドーパミン機能異常の関係を解析する方法についても検討をしていたところ、過去の報告ではMPTP反復投与サルの運動機能障害と線条体の機能的部位におけるドーパミン機能異常との関係が確認されていなかった。そこで運動機能(運動量)とPETによる線条体ドーパミントランスポーター密度測定をMPTP投与開始前から振戦発現後まで経時的に定量評価し、両者の関係についてボクセル単位の相関解析で検討した。その結果、線条体において運動皮質と密接な関係にある外側被殻において有意な正の相関を認めた。これは線条体の局所で生じたドーパミン神経変性・脱落がその線条体の部位が関与する機能に選択的な異常をもたらすことを示唆する。したがってこの方法を用いれば、認知機能についてもその機能脱落とそれを説明するドーパミン系の異常が生じる限局した線条体部位が特定可能と考えられる。
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