2010 Fiscal Year Annual Research Report
線維芽細胞の起源探求による肝線維化克服のためのの新たな治療戦略の開発
Project/Area Number |
21791284
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田浦 康二朗 京都大学, 医学研究科, 助教 (80378629)
|
Keywords | 肝線維化 / 線維芽細胞 / 肝星細胞 / 幹細胞 / 肝卵形細胞 |
Research Abstract |
(1)線維化誘導肝非実質細胞における、GFP陽性細胞のcharacterizationと特定細胞集団の分離培養 線維化誘導 コラーゲンGFPマウス肝臓から細胞を得、GFP発現強度、細胞形態により肝非実質細胞をFACS(Fluorescent Activated Cell Sorting)により分離培養した。その結果GFP陽性細胞は、その細胞の内部構造により2種類に分離されることが判明した。内部構造に細胞内顆粒(脂肪滴)をもつ細胞群は、αSMAなどの細胞表面高原マーカーより、星細胞であると考えられる。一方、内部構造に顆粒を持たない分画は、数種類の細胞が混ざっている可能性もあるものの、一部の細胞は表面抗原マーカーとしてA6抗原が陽性であるものが存在していることから、肝前駆細胞として知られる肝卵形細胞などの可能性を考えている。 (2)線維化非誘導肝非実質細胞におけるGFP陽性細胞のcharacterization 上記(1)と同様の細胞が、線維化誘導前に肝臓内に存在する細胞か否かを調べるために、線維化を誘導していない細胞において(1)と同様の実験を行った。星細胞分画については、ごく少数を認めるのみであったものの、GFP陽性細胞分画中の細胞内顆粒を有さない細胞に関しては、線維化誘導前より肝臓内に存在することが判明した。線維芽細胞起源についての諸説の中には、骨髄由来のfibrocyteが大きな役割を果たすという説があるが、我々の実験結果からは、この説は否定的であった。(実際我々はこの細胞分画について、fibrocyteのマーカーであるCD45の染色も行ったが、陰性であった。)
|