2011 Fiscal Year Annual Research Report
腺管分離法とマイクロアレイを用いた大腸癌浸潤部・簇出での浸潤能の解明
Project/Area Number |
21791305
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
小林 敬明 杏林大学, 医学部, 助教 (10439169)
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Keywords | 癌先進部 / マイクロアレイ / レーザーマイクロダイゼクション |
Research Abstract |
対象症例は50~79歳の大腸癌患者(直腸癌を除く)で、高~中分化腺癌20例とし、腫瘍中央部、腫瘍最深部を各々採取し、腺管分離法を用い採取検体から癌腺管を採取する予定であった。しかし低分化胞巣を来した微少な癌細胞塊を顕微鏡で確認することが困難であったため、本年度ではレーザーマイクロダイゼクション法による癌細胞の選別的な回収を行った。癌先進部(先進部より150μm以内の部位)と癌中央部(先進部より500μm以上離れた部位)から各々癌細胞を採取した。 採取した癌細胞よりRNAの抽出を行い、バイオアナライザーによるRNAの分解度のチェックを行い、分解がされていないサンプルに対して増幅・ラベリングを行い、microarrayを用いた遺伝子発現解析プロファイルの作製を行った。 同一症例内で癌先進部と癌中央部で遺伝子発現状況の異なる遺伝子の絞り込みを行い、癌先進部において発現が亢進している遺伝子群(5遺伝子)、発現が低下している遺伝子群(1遺伝子)を選出した。また、同時に癌先進部において低分化を認める場合は予後不良因子といわれているが、先進部に低分化を認める症例に関しては、癌先進部において発現が亢進している遺伝子群(4遺伝子)、発現か低下している遺伝子群(6遺伝子)を選出した。 本研究は、大腸癌の深部への浸潤に関与する遺伝子群や、先進部の低分化に関与する遺伝子群をスクリーニングしたことになる。選出された遺伝子のうち発現が同定されれば、癌浸潤や低分化の機序解明に繋がると考えられる。
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