2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791387
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
林 克洋 金沢大学, 附属病院, 助教 (80507054)
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Keywords | 癌 / 外科 |
Research Abstract |
主目的は,蛍光抗体を使用し骨軟部腫瘍のイメージングを生体内で可能にし,腫瘍切除手術の際のガイド,腫瘍細胞を検出する検査技術への応用である。 蛍光抗体を使った骨肉腫のイメージングの実験として、骨代謝で増加するアルカリフォスファターゼ(ALP)を一時抗体に使用した。HOS,143Bヒト骨肉腫培養細胞を抗ALP抗体で免疫染色したところ、染色陽性と判断され、Alexa Fluor[○!R] 488を二次抗体として蛍光染色を行い、緑色蛍光が観察された。緑色蛍光は、GFPとして古くから蛍光標識で使われるが、動物内で使用すると正常組織からの自家蛍光との識別が困難であり、別の波長の模索を行った。蛍光色とフィルターの組み合わせの結果、赤色~赤外線の蛍光を観察すると腫瘍を特異的に観察できることがわかった。ヌードマウスに移植した腫瘍を赤色の蛍光で標識することで、腫瘍の局在を明瞭化し、蛍光顕微鏡下で摘出することが可能であった。さらに、可視光の蛍光では皮下の数百マイクロメートルしか透過できないが、赤外線では1cm以上の観察が可能と判断した。インドシアニングリーンは生体の腫瘍にとりこまれて赤外線の蛍光を発する。マウスに移植したLM8骨肉腫細胞がICGにて標識されることが確認された。人間での腫瘍切除のガイドとなりうると考えた。 蛍光をつかった腫瘍標識の研究内容は、23年2月に開催された米国整形外科学会AAOSでscientific exhibitで採択され発表した。
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