2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAによるヒト骨肉腫肺転移抑制効果:モデル動物を用いた検討
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21791395
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
尾崎 充彦 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 助教 (40325006)
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Keywords | 転移抑制 / マイクロRNA / 骨肉腫 / 生体イメージング |
Research Abstract |
平成21年度は、in vivoで効果を示す骨肉腫肺転移抑制マイクロRNAの同定を目的とし、以下の実験結果を得た。ヒト骨肉腫細胞143B(肺高転移株)とHOS(非転移株)を用いmiRNA microarray解析により、143Bで発現が低下していたmiR-143を検出した。合成したmiR-143およびコントロールとして、negative control miRNA(miR-NC)を用い143Bヘトランスフェクションした。48時間後の細胞を用い、浸潤能および細胞増殖への影響を検索した結果、miR-143導入によりin vitroの系で143B細胞の浸潤能を有意に抑制したが細胞増殖への影響はなかった。次に、in vivoにおける143B細胞の転移抑制効果を検索するために、miR-143(コントロールはmiR-NC1)をアテロコラーゲンと混和し骨肉腫細胞自然肺転移モデルマウス(n=10)の尾静脈へ3日毎に投与した。1週間毎にマウスの肺転移状況を生体イメージング装置により観察したところ、コントロールマウスでは3週間以内に全マウスで肺転移が観察されたが、miR-143投与群では3週間後において肺転移を観察されたのは10匹中2匹のみであり有意に肺転移を抑制した(P<0.01)。以上より、モデルマウスを用いたin vivo解析によりmiR-143全身投与によりヒト骨肉腫細胞の肺転移抑制効果を示すことを明らかにした。
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Research Products
(7 results)