2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロモーターマイクロアレイを用いたトポテカンの新たな分子標的作用の解析
Project/Area Number |
21791578
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
佐々木 浩 Osaka Medical College, 医学部, 助教 (80432491)
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Keywords | シスプラチン / トポテカン / プラチナ耐性 / Akt / NFкB / VEGF / 卵巣癌 |
Research Abstract |
シスプラチン耐性および感受性卵巣癌を用い、シスプラチンにより活性化される血管新生反応をトポテカンが抑制するメカニズムを比較検討する。さらに、シスプラチンで活性化されトポテカンで抑制される転写因子に着目し、そのターゲットとなるプロモーターをマイクロアレイで解析し、標的遺伝子を解明する。この標的遺伝子がシスプラチンの耐性化に関与しているかどうかはin vitroとin vivoにより再確認する。以上の検討によりトポテカンの白金製剤により引き起こされる血管新生反応への影響を解明することが本研究の目的である。トポテカンのAkt/ERK両経路への影響およびIn vivoにおけるトポテカンの薬剤感受性に対する効果の検討 シスプラチン耐性ヒト卵巣癌細胞株にシスプラチンを添加し、Aktがリン酸化しさらにトポテカンによりリン酸化が抑制されることをWestern Blotting法等を用いて確認し、トポテカンがシスプラチンの耐性解除に働いていることを解明した。さらにヌードマウスにシスプラチン耐性卵巣癌細胞株を注入し卵巣癌モデルを作成した上でシスプラチンおよびトポテカンの抗腫瘍効果を検討したところトポテカンによりシスプラチンの感受性が再獲得されることがin vitroにおいても確認できた。この腫瘍を用いTUNEL法にてアポトーシスを定量化、さらにVEGF濃度をELISA法にて定量した。以上の結果をまとめ現在論文に投稿中である。 現在はシスプラチン耐性卵巣癌細胞にシスプラチンを添加し、HIF-1αやAP-1を認識する抗体、およびNFкBは(inhibitor of NFкB(IкB)がリン酸化されると核内に移行し転写活性が亢進するので)IкBのリン酸化特異的抗体を用いchromatin immuno-precipitation(CHIP)を施行することによって、細胞内で活性化されたHIF-1α,AP-1およびNFкBが結合しているDNA-protein complex (cross-linked DNA)を選択的に抽出実験中である。
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