2010 Fiscal Year Annual Research Report
眼内増殖性網膜疾患病態における硝子体細胞の機能解析と新しい治療戦略
Project/Area Number |
21791668
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西塚 弘一 山形大学, 医学部, 助教 (60422169)
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Keywords | 硝子体細胞 / 眼内増殖性疾患 / ヒアルロナン / 増殖糖尿病網膜症 / 増殖性硝子体網膜 / 4-メチルンベリフェロン / アポトーシス / TNF-alpha |
Research Abstract |
我々はこれまでに、ブタ硝子体細胞における炎症性サイトカインによるヒアルロナン産生制御、ブタ硝子体細胞と血管内皮細胞の共培養系における炎症性サイトカインの応答について検討し、増殖性糖尿病網膜症や増殖性硝子体網膜症などの眼内増殖性疾患に硝子体細胞、炎症性サイトカイン、ヒアルロナンが関与している可能性を報告した。今年度は眼内増殖性疾患において眼内(硝子体内)で上昇するサイトカインの一つであるTNF-αと硝子体細胞・ヒアルロナンの関連を調べるために、TNF-αによるブタ硝子体細胞の反応性を、ヒアルロナン産生、細胞増殖について検討した。ブタ硝子体細胞において、TNF-a刺激による増殖抑制が認めれ、ヒアルロナン合成酵素阻害剤である4-メチルウンベリフェロン(4-MU)によりさらなる細胞増殖抑制を認めた。TUNEL染色にて細胞増殖抑制はアポトーシスが主体であることが確認できた。TNF-α刺激によるヒアルロナン合成酵素(HAS2)の発現亢進がmRNAレベルで認められ、タンパク質レベルにおけるヒアルロナン産生促進も認められた。TNF-αによるヒアルロナン産生促進は、4-MUにて抑制された。ブタ硝子体細胞においてTNF-αによるヒアルロナン産生調節が認められ、眼内増殖性疾患に硝子体細胞・TNF-α・ヒアルロナンが関与している可能性が示唆された。硝子体細胞においてTNF-αによって産生亢進されるピアルロナンとアポトーシスの関連が病態に関与している可能性がある。
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