2010 Fiscal Year Annual Research Report
急性呼吸促迫症候群におけるインターロイキン17の動態解析と新規治療薬の開発
Project/Area Number |
21791779
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮木 大 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60365400)
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Keywords | 呼吸速迫症候群 / インターロイキン17 |
Research Abstract |
リンパ球のSIRS、MODS病態との関連は未解明の部分が多くあまり注目されていなかった。しかし、我々はこれまで、ヒトALI/ARDS患者の肺局所サイトカインを測定し、IL-17が高値をとるとの知見を得ている。本研究では、塩酸誘発ARDSモデルを使用してIL-17、ケモカインの動態、並びに随伴する生体反応性の変化、ALI/ARDS病態を明らかとすることを目的とした。本年度は250-300gのC57BL/6 wild typeマウス並びにIL-17ノックアウトマウスを用い化学性肺炎モデルを作成し実験データを収集した。ペントバルビタール40mg/Kg腹腔内投与麻酔下にアクリル製の固定具を用いてマウスの体幹、四肢を固定する。その後専用器具にて気道確保を行い、マイクロスプレイヤーを用いて経気道的に散布する。散布内容物は1、0.15Mol生理食塩水、pH5.3(以下、SHAM)、2、生理食塩水と塩酸pH1.25(以下、ACID)、3、マウス胃内容物と0.15Mol生理食塩水、pH5.3(以下、SNAP)、4、マウス胃内容物と0.15mol生理食塩水、pH5.3(以下、CASP)とし、wild typeマウス、並びにIL-17ノックアウトマウスに同量の散布を行い、散布直後、24時間後、72時間後、120時間後、168時間後の生存数を確認した。胃内容物とは C57BL/6 wild typeマウスより胃を採取し、内容物を生理食塩水で3回洗浄し、オートクレープにて殺菌後に遠心分離(2000回転/分、2分間)したものである。生存数に関してはSHAM、ACID、SNAP、CASP共にwild typeマウス、IL-17ノックアウトマウス間に統計学的な差を認めなかったものの、SHAM,ACID間は差を認めており塩酸誘発ARDSモデルに関して、IL-17がメディエーター変動に関係する可能性が示唆された。
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