2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型を用いたヒト舌癌発生に寄与する薬物代謝酵素の同定-ラットからヒトへ-
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21791827
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
平野 真人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70381184)
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Keywords | 舌癌 / 薬物代謝酵素 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
本研究の対象者として、男性54名・女性51名、計105名、平均年齢59.7歳の口腔扁平上皮癌患者と、男性49名・女性53名、計102名、平均年齢60.3歳の非癌患者を選び出した。口腔扁平上皮癌患者は病理組織学的に原発性の口腔扁平上皮癌と診断された患者であり、また非癌患者は粘液嚢胞や歯肉炎・歯周炎のような腫瘍とは関連性のない疾患が認められた患者で、全身のあらゆる場所に腫瘍が存在しないことを初回来院時に問診にて確認し、パラフィンブロックより抽出したDNAを用い対象となる薬物代謝酵素の各遺伝子多型の検索を行った。 NQ01遺伝子において、各部位における口腔扁平上皮癌患者のcoding DNA609番目の遺伝子多型頻度に相違は認められず、また性別・年齢においても同様に遺伝子多型頻度に差違は認められなかった。一方、野生型NQ01遺伝子をもつヒトに比べ、ホモ変異型NQ01遺伝子を有するヒトは、口腔扁車上皮癌に対して高感受性であることが強く示唆された。 また、NQ01遺伝子の多型頻度と同様に、CYP1A1遺伝子の野生型頻度は口腔扁平上皮癌患者と比べ、非癌患者のほうが多い傾向にあり、それとは対照的に、ホモ変異型の頻度は非癌患者に比べ、口腔扁平上皮癌患者のほうが多い傾向を示した。 さらにGSTP1遺伝子の多型頻度について検索を行ったが、今回の実験では口腔扁平上皮癌患者と非癌患者との間で、統計学的有意差は認められなかった。
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