2010 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素による口腔扁平上皮癌細胞の脱分化誘導機序の解析
Project/Area Number |
21792030
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大橋 勝 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (40317524)
|
Keywords | 低酸素 / 癌幹細胞 / ニッチ |
Research Abstract |
近年、癌が幹細胞能力と癌形成能を併せもつ少数の幹細胞様癌細胞(癌幹細胞)により形成・維持されていることが明らかにされてきた。癌幹細胞の性質はニッチと呼ばれる特別な微少環境によって維持されていると考えられている。近年、腫瘍内の低酸素領域が癌幹細胞のニッチになっているという知見が得られてきている。本研究では口腔扁平上皮癌細胞の低酸素による癌幹細胞への脱分化誘導の機序を解析し、低酸素を標的とした新たな治療戦略の開発を目的とする。計画書では平成22年度は低酸素環境下での脱分化に与えるHIFの影響の解析を予定していたが、本年度では低酸素環境培養癌細胞の遺伝子発現やstem markerの発現を検討した。すなわちHypoxia workstation Inivo2 (Ruskinn)内で非癌幹細胞を1%O2下で培養した後、stem marker (CD133, CD117, ABCG2など)の発現をフローサイトメトリーを用いて解析した。また、total RNAを抽出し、TaqMan Gene Expression Assay (Applied Biosystems)およびABI PRISM 7900HTを使用した、Real-time PCRで幹細胞関連遺伝子(Oct-4、Sox2、Nanog、c-myc、Nestin、β-catenin)、ABCトランスポーター(MDR-1、MRP-1、ABCG2)の発現を解析した。
|