2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎に合併する動脈硬化病変の早期発見と心臓弁膜病変の評価
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21792164
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
有城 久美子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (20460769)
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Keywords | 歯周病 / アディポネクチン / バイオマーカー |
Research Abstract |
歯周病は糖尿病や動脈硬化性疾患を含む全身疾患と密接に関連することが明らかにされてきた。成人における歯周病の罹患率は著しく高く、その予防や早期発見が重要であることは、言うまでもない。本年度は中年成人を対象とし、歯周状態を反映するバイオマーカーを同定することを目的とした研究を行い、以下のような成果を得た。 40歳以上の中年成人170名を対象に、健診での問診ならびに測定項目、一般生化学検査、歯周状態の診査データを解析した。さらに最近歯周病との関連が注目されており、脂肪細胞由来のサイトカインであるアディポネクチンの血中濃度を、総量とともにその分画(高分子量、中分子量および低分子量分画)について測定した。歯周状態の評価については、歯周ポケットの計測等を用いるCommunity Periodontal Index(CPI)の判定基準に従い、対象者を4mm以上の歯周ポケットがある群(P(+))とそれ以外の群(P(-))とに分け、両群間の比較も行った。 年齢別にみると、50歳以上ではP(+)の歯周病罹患率が有意に高かった。また喫煙との関連について検討すると、50歳以上の対象者においては、P(+)群に有意に喫煙者が多かった。P(+)群では血清マーカーのうち、HDLコレステロール値が低く、CRP値が高い傾向がみられたが、有意差はなかった。アディポネクチンの活性の中心を担う高分子量分画の、総アディポネクチンに対する比を比較すると、P(+)群で有意に比が低かった。両群で差がみられた因子について多変量解析を行ったところ、加齢、喫煙、高分子量アディポネクチン/総アディポネクチン比の3つの因子が、歯周状態と独立して関連する因子であることが明らかになった。 今後、さらに症例数を追加しつつ検討を行い、歯周病への治療介入による変化の検討や新たなバイオマーカーを同定すべく、研究を進める予定である。
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