2009 Fiscal Year Annual Research Report
開頭術後の意識障害患者に付き添う家族の看護支援に関する研究
Project/Area Number |
21792226
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
飯塚 麻紀 福島県立医科大学, 看護学部, 助教 (10319155)
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Keywords | 開頭術後 / 意識障害 / 家族看護 |
Research Abstract |
本研究は、開頭術後の意識障害患者の家族に対する看護支援の構築を目指すものである。 そのため、今回は第一弾として、開頭術後の意識障害患者に付き添う家族が辿る体験を記述することを目的に調査を行った。本研究における研究参加者は、脳血管疾患の急性発症により開頭術を受け、さらに意識障害を呈した患者に付き添う家族(配偶者2名、嫁1名)で、研究参加の同意が得られた3名てあった。なお、患者の識障害の程度は、発症後約2週間経過した時点てのJapan Coma Scale(JCS)が2桁以上であり、意思疎通が困難な状態であった。発症後約3週間が経過した時点て、研究参加者に対し非構造化万面接を行い、データを質的に分析した。 結果、患者に付き添う家族は、患者の発症以前に「もっと早く対応ができたのではないか」という思いを抱き、発症後約1カ月経過した時点でも「他の対処方法であれば別の結果があったかもしれない」という思いを常に持っていた。また、「自分なら家族と一緒にいたい」と考え、患者のもとに足を運ぶことを日々の自分の生活の一部に組み入れていた。そのなかで、患者のわずかな動きや瞬きに対し、「もしかしたらわかっているのては」と考え、「意識が戻った時に困らないように」意識的に運動や音楽を取り入れた関わりを行っていた。一方、医師に対しては、「人と人とのかかわり対するに安堵感」を覚えることもあったが、遠慮から「全部は聞けていない」状況もあり、そのことが発症初期の家族としての自分の判断にもっと選択肢があったのてはないかという思いにつながっていると考えられた。また、看護師に対しては、看護師によって異なる患者への対応をみて、意識がないから大事にされないのかと感じることもある、日々忙しい中でよく業務はこなしてくれるが名前もわからないなど、「人としての距離は近づかない」という思いも抱いていた。
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