2010 Fiscal Year Annual Research Report
開頭術後の意識障害患者に付き添う家族の看護支援に関する研究
Project/Area Number |
21792226
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
飯塚 麻紀 福島県立医科大学, 看護学部, 助教 (10319155)
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Keywords | 開頭術後 / 意識障害 / 家族看護 |
Research Abstract |
本研究は、開頭術後の意識障害患者の家族の看護に対する看護支援の構築を目刺すものである。第一弾では、家族の辿る体験を明らかにする調査をおこなった。第二弾となる今回の調査では、開頭術後の意識障害患者およびその家族の看護を行う看護師の実践と認識を明らかにすることを目的とした。本研究における研究参加者は、A県内の5施設でそれぞれ開頭術後の患者および家族に対する看護を実際に行っており、同領域における経験が5年以上の看講師で、研究参加の同意が得られた17名であった。看護師がどのような場面でどのようなケアを心がけているのか、またその際の思いを想起によって言語化することを目的に、4~7名からなるグループインタビューを各1回行い、逐語録を作成しデータとした。データは質的帰納的に分析を行った。結果、看護師の家族への実践・認識としては、「緊急入院し焦る家族への説明」「勤務時間外での関係づくり」「家族がいない間の患者の状態の伝達」「患者に触れられない家族への働きかけ」などが挙げられた。また、患者に対しては「他の患者と同様に必ず話しかける」「家族を巷き込んで患者を中心に会話をする」「身の回りを家にいる時のように整える」ことなどを心がけていた。そして看護師は「連日付き添う家族の体調を心配」しながら、あるいは「リハビリに希を託す家族の気持ちを理解」しながら日々のケアを行っていた。今回明らかになったこの結果は、効果的なケアを経験の少ない看護師に伝達する際には大変貴重なものである。しかしながら、第一弾で家族に行った調査では、家族の経験にこのような看護師の働きかけが十分含まれているとは言い難い。そこで、第三弾では、看護師の認識と家族の認識を突き合わせ、本当に効果的な支援について検討していくことが課題ある。
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