2011 Fiscal Year Annual Research Report
開頭術後の意思障害患者に付き添う家族の看護支援に関する研究
Project/Area Number |
21792226
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
飯塚 麻紀 福島県立医科大学, 看護学部, 助教 (10319155)
|
Keywords | 意識障害患者 / 看護 / 開頭術後 |
Research Abstract |
本研究は、開頭術後の意識障害患者の家族に対する看護支援の構築のための基礎的研究である。 第一弾では、家族の辿る体験を明らかにするために、家族3名に対するインタビュー調査を行った。今回の家族は、患者のもとに来ることを当然のことと考え「ルーチンワークと決めて毎日付き添って」いた。また急性期を脱したのち、「意識はないが状態が安定したことに安心する」しながらも今後も続くであろう介護を考慮し「自分が倒れるわけにいかない」と自分の生活にも気を配るようになっていた。一方で、患者の目や口がわずかに動く様子をみて「意識が戻るかもしれないとリハビリを続け」ることを日課としていた。また患者に付き添う中で「今までの患者との生活を振り返り」自分が何をしてこれたかを問うこともあった。さらに、看護師に対しては「本当はもっと患者のケアをしてほしい」という思いを持っていた。第二弾では、開頭術後の意識障害患者およびその家族の看護を行う看護師の実践と認識を明らかにするために、5年以上の経験を持つ看護師117名に対し小グループインタビューによる調査を行った。 結果、看護師の家族への実践としては、「緊急入院に戸惑う家族への説明」「勤務時間外での家族との関係づくり」「患者の状態の伝達」「患者に触れられない家族への働きかけ」などが挙げられた。また、患者に対しては「他の患者と同様の言葉かけ」「家族と患者を巻き込んだ会話」「これまでの生活を踏まえた身づくろい」などを心がけていた。そして看護師は、「家族の生活や体調に心配り」し、「リハビリに希望を抱く家族の気持ちを理解」しながら日々のケアを行っていた。この結果は、経験の少ない看護師に対して効果的なケアを伝達する際に大変貴重な資料となる。しかしながら、このような看護師の行動や認識は、家族の体験と一致するものとは言い難いものであった。これは、家族看護に対する看護の重要性を認識しつつも、実際には時間外でなければ家族に関わることができない組織の環境にも問題があると考えられた。さらに、家族の体験から、看護師には患者自身に対するより丁寧なケアや説明を提供することの重要性が再認識された。
|