2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792229
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
大場 良子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (80381432)
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Keywords | がん体験者 / レジリエンス |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)がん体験者固有のレジリエンス尺度を作成すること、(2)レジリエンスに影響を与える要因を明らかにし、がん体験者への支援方法の手がかりを得ることである。平成22年度は、予備調査で得られたデータに基づき、がん体験者固有のレジリエンス尺度として構成される項目を精選し尺度作成をすすめた。さらに項目内容の妥当性を吟味するため、がん体験者および心理学専門家とともに検討を行った。先ず、尺度を作成していくにあたり、本研究におけるがん体験者固有のレジリエンスを「がん発病後の精神的回復力、つまり、がん発病後に困難で脅威を与える状況にもかかわらず、そこから立ち直っていく力」と定義づけた。がん体験者固有のレジリエンス尺度としては最終的に25項目を精選した。下位尺度となる構成要素は、「自立/自律する力」5項目、「肯定的な志向力」5項目、「感情を調整する力」5項目、「関係を築く力」5項目、「対処力」5項目とした。レジリエンスへの影響要因には、予測的に、属性、がんの種類、病期・ステージ、治療法、後遺症の程度、治療開始されてからの経過期間、ソーシャルサポート、病気認知度などを影響要因と考え、質問紙として構成した。また、構成概念妥当性を検討する尺度には、ハーディネス、首尾一貫感覚を用いる予定である。 平成23年度は、作成したがん体験者固有のレジリエンス尺度の信頼性および妥当性の確認および、要因モデルの検証を行う。現在の準備状況は、所属機関の倫理委員会より承認を受けた段階である。 その他の報告では、平成22年度には、本研究課題の見識を深める目的で、The International Conference of 4^<th> Asian Congress of Health Psychologyに参加し、がん患者の心理に関連したレジリエンス、コーピング、ストレス、posttraumatic Growth、Well-being、適応などの研究情報を得る機会を得た。
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