2009 Fiscal Year Annual Research Report
看護職が行う退院支援の質の向上に関する研究―看護職のコンピテンシーに着目して―
Project/Area Number |
21792292
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森鍵 祐子 Yamagata University, 医学部, 助教 (20431596)
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Keywords | 看護学 / 地域看護学 / 退院支援 / コンピテンシー |
Research Abstract |
本研究は,退院支援を行う看護職の能力をコンピテンシーの視点から明らかにし,看護職が行う退院支援の評価および質の向上に資することを目的としている。今年度は,看護職が退院支援を行うためのコンピテンシーモデル(案)の作成を目的に,国内視察,国外視察および文献検討による看護職の能力およびコンピテンシーに関する研究の傾向の分析を行った。 国内視察では,退院調整看護師養成研修をいち早く取り入れ,研修受講者が専従または兼任の退院調整看護師,リンクナースとして活躍しているA病院の視察を行った。A病院では,看護係長(主任級)ならびに上級看護師の役割別目標・成果目標に退院支援を掲げ,退院調整看護師養成研修を受講した看護係長が専従で退院支援に関わり,病院内だけでなく院内外との連携,訪問看護を実施していた。また,各病棟に同研修受講者が複数名おり,退院調整専従看護師と円滑に連携して退院支援を実施していた。 国外視察では,英国のCommunity Liaison Serviceを視察した。英国では,経験を積んだCommunity NurseがCommunity Liaison Nurseとして,病院から地域への移行に際し,シームレスな関わりを行っていた。 文献検討では,退院支援に関するコンピテンシーは国内外ともに報告がなかった。しかし,国内では保健師のコンピテンシーについて,国外では看護師あるいは看護管理者のコンピテンシーについて若干の報告があった。 国内外の視察により,一定の経験を積んだ看護師やCommunity Nurseが退院支援の中心で活躍していることが推察された。また看護師・保健師のコンピテンシーに関する先行研究の結果と視察の結果を統合していくことで,退院支援を行う看護職のコンピテンシーモデル(案)を作成していく方向性を確認できた。
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