2011 Fiscal Year Annual Research Report
看護職が行う退院支援の質の向上に関する研究-看護職のコンピテンシーに着目して-
Project/Area Number |
21792292
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森鍵 祐子 山形大学, 医学部, 助教 (20431596)
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Keywords | 看護学 / 地域看護学 / 退院支援 / コンピテンシー |
Research Abstract |
本研究は、退院支援を行う看護職の能力をコンピテンシーの視点から明らかにし、看護職が行う退院支援の評価および質の向上に資することを目的としている。 今年度は、看護職が退院支援を行うためのコンピテンシーモデル(案)の作成を目的に、国外視察、文献検討等の情報収集、ならびに退院支援専従の看護職を対象としたインタビュー調査を行った。 国外視察では、英国、オランダ、ドイツの地域ケアの実際と教育に関する視察を行い、英国では、緩和ケアの専門看護師のひとつであるMacmillan Palliative Care Clinical Nurse Specialistが、病院や地域で在宅緩和ケアのスペシャリストとして、地域の看護職等と協働して退院支援に関わっていた。また、地域で活躍する看護職等の専門性が高い看護職が活躍するためには、NMC(Nursing & Midwifery Council)のコンピテンシーに基づく教育・研修制度が構築され、適宜評価が実施されていた。オランダでは、新しい地域ケアとして注目されているBuurtzorgの、看護職の自律性を高めながら、質の高い看護ケアを行うための取り組みを視察し、訪問看護に同行した。ドイツでは、訪問看護と訪問介護が一体化したSocial Stationの訪問看護に同行した。また、病院から在宅への移行期には、Social Stationの看護職や地域のMSWなど病院ではなく地域で活動する専門職種が退院支援の中心的役割を担っていた。 さらに、退院支援を行う看護職のコンピテンシーモデル(案)を作成するために、病院の退院支援部門にて退院支援を専従で行っている看護師を対象としたインタビュー調査を行った。これまでの退院支援において印象的だったことについて、どのように関わり、どのように行動したのかについての語りから、退院支援を行う看護職のコンピテンシーモデル(案)の核となる部分が見い出された。
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