2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域高齢者の主観的評価と客観的ライフスタイルとの関連
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21792320
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
萩原 潤 宮城大学, 看護学部, 准教授 (90347203)
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Keywords | 高齢者 / QOL / 主観的評価 |
Research Abstract |
少子高齢化に加え過疎化が進行する中山間地域では,集落の機能を維持できず,コミュニティとしての役割を完全に果たせない,いわゆる限界集落への対応は,喫緊の課題である。健康日本21でも健康寿命の延伸が掲げられており,ただ寿命を延伸させるだけでなく,個人が満足感を持って日々生活することが重要である。健康寿命は個人と行政機関が協調して努力することによってさらなる延伸が可能であり,健康で自立した高齢者が,家族や地域社会において積極的に貢献することで,過疎化,高齢化の進む中山間地域においては特に重要な人的資源になりうる。健康寿命には運動能力,自活力,認知機能に加え,心理的状態,とくに主観的な生活への満足度(QOL)は重要な概念となっている。本研究では,典型的な過疎地域である山梨県の中山間地域に居住する住民を対象に,対象者自身の周辺環境に対する満足度,社会的関係のうち来訪者や世代間交流に関する満足度を測定することができるQOL質問票を作成し,その信頼性と妥当性を検討することを目的とした。 今年度は得られた質問票データの解析を中心に行った。因子数を内容分析で得られたカテゴリ数と同じ5つで固定して因子分析(主因子法・プロマックス回転)を実施したところ,因子構造とその項目が解釈しにくくなったため,因子数を減らして因子分析を行った。最終的に因子数は解釈可能性などから,5因子構造が適当と判断した。この因子構造の信頼性はクロンバックのα係数によって,妥当性はQOL質問票の全体項目との相関を検討することで行われた。その結果,今回作成した質問票は信頼性,妥当性があり,これからの分析に信頼性を持たせることができることが確認された。本年度はこの内容について学会にて公表した。
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