2009 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール依存症者に対する偏見除去のための教育的介入の効果
Project/Area Number |
21792349
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
岡田 ゆみ Hiroshima International University, 看護学部, 講師 (70364099)
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Keywords | アルコール依存症 / 一般住民 / 社会的態度 |
Research Abstract |
アルコール依存症者に対する偏見除去を目的とした介入を検討するため、今年度は先ず、退院後のアルコール依存症者に対する社会的態度の実態とその関連要因を検討した。調査は一般住民866名を対象として質問紙調査で実施。調査内容は、退院後のアルコール依存症者に対する社会的態度の他、アルコール依存症に対する知識、アルコール依存症者との接触状況、飲酒問題に対する捉え方、飲酒観、飲酒頻度などであった。調査時期は2010年1~2月。 結果は、回収数472(回収率53.3%)、性・年齢・社会的態度得点に欠損のない有効回答数は405(有効回答率85.8%)であった。退院後のアルコール依存症者に対する社会的態度との関連では、有意な関連は認められなかったがアルコール依存症を「病気」と認識している者の方が「意思」と認識する者よりも社会的態度得点が低い(より親密な態度)傾向を示していた。 また退院後のアルコール依存症者に対する社会的態度得点を被説明変数とした重回帰分析(ステップワイズ法)の結果、「アルコール依存症の人でもお酒を完全に断ち続けることができるだろう(標準化係数0.349,p=0.000)」「もし、私の家族の誰かが酔っぱらったなら、私は恥しいと思う(標準化係数-0.331,p=0.000)」「家族や友人の少なくとも一人が、アルコール依存症を経験する可能性がどの程度あると思うか(標準化係数0.272,p=0.001)」がそれぞれ社会的態度得点に影響を及ぼしていた。今後更に分析を深めていく予定であるが、"アルコール依存症"をより身近なものとして捉え、予後の断酒による回復が予測できることが社会的態度の改善につながっていくものと考える
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