2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓標的型siRNA搭載多機能性ナノ構造体による2型糖尿病関連遺伝子群の機能解析
Project/Area Number |
21800001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林 泰弘 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 特任助教 (30548178)
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Keywords | 肝臓 / siRNAデリバリー / in vivo機能解析 / マイクロアレイ解析 / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
平成22年度はpDNA、siRNAを肝臓の実質細胞に効率的に送達可能なMENDの構築を中心に研究を進めた。高い細胞内導入効率を有する膜透過性ペプチドであるR8(octaarginine)に着目して、MENDの最適化をin vivoで行った。負電荷を有する核酸凝縮化体を封入したR8-MENDは、肝臓での高い遺伝子発現が認められなかったが、エンドソーム脱出素子であるGALAをR8-MENDに修飾した場合は、約800倍遺伝子発現活性の上昇が見られた。更に最適化されたR8-GALA-MENDは肺、脾臓での遺伝子発現活性が肝臓の約1/13倍、1/30倍であり、肝臓特異性の高い核酸キャリアシステムであることを明らかにした。[Khalil Ikramy,Hayashi Y et al.(Submitted)]。次に、肝実質細胞で主に発現しているSR-BI遺伝子を標的とするsiRNAをR8-GALA-MEND搭載して、肝臓でのノックダウン効果を評価した。その結果、投与量依存的なSR-BI遺伝子の機能発現を制御することに成功した。さらにこのシステムは肝毒性を誘起しない安全なキャリアであることも明らかにした[Hayashi Y et al.(Submitted)]。 次に、平成21年度で絞り込んだ9個の新規2型糖尿病関連候補遺伝子から最も可能性が高い遺伝子に対するsiRNAを用いて、2型糖尿病モデル動物に投与した。siRNAによるノックダウン効果、及びフェノタイプの変化を指標に解析を行った。その結果、投与3日後では未投与群に対して96%のノックダウン効果が認められ、その時の血糖値は有意に減少していた。更に体重の有意な減少も確認されたことから、この新規遺伝子は2型糖尿病の予防・治療標的遺伝子のみならず肥満治療薬としても期待が持てると考えられる。
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Research Products
(3 results)