2010 Fiscal Year Annual Research Report
大学の短期留学プログラムが英語オーラル・コミュニケーション能力に与える影響
Project/Area Number |
21820044
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
佐藤 陽子 法政大学, 経営学部, 准教授 (80523125)
|
Keywords | 英語教育 / 第二言語習得 / 留学(スタディ・アブロード) / オーラル・コミュニケーション / 異文化コミュニケーション |
Research Abstract |
当研究では、日本の大学で近年盛んになっている英語圏への短期留学が、学生の英語オーラル・コミュニケーション能力に与える影響を、学生とネイティブ・スピーカーとの対話式スピーキング・テストを用いて実証的に調査した。また、英語学習および異文化理解・コミュニケーション等に対する学生の意識の変化も合わせて考察することにより、今後の短期留学プログラムのあり方を探った。当該年度は次のようなデータが収集、分析された。1、ネイティブ・スピーカー試験官2名による、留学直前・直後の学生24名のオーラル・コミュニケーション能力評価、2、上記学生による留学直前・直後の自己評価、3、英語学習と異文化理解・コミュニケーションに対する意識の変化及び留学準備コースの有用性についてのアンケートへの回答。この結果、次のようなことが分かった。1、ネイティブ・スピーカー試験官の評価:留学後には学生の流暢さと話の一貫性、語彙が向上した。一方、文法や発音には有意な変化は見られなかった。また、留学前に能力の高かった項目では留学による伸びが少なく、逆に、留学前に能力の低かった項目が向上した。2、学生の自己評価:流暢さ、語彙、発話の適切さ、身振りの使い方が向上した。一方、文法、発音、話の組み立て、問題解決能力、自信には有意な変化がなかった。また、留学前に困難を感じていた項目ほど留学後に改善された。3、学生へのアンケート:留学により、異文化理解が深まり、英語学習に対する意欲と異文化に対する興味が高まった。これらの結果から、短期留学の最も大きな効果は、現地でのコミュニケーションに直結する能力の向上と、英語学習に対する意欲および異文化に対する興味と理解の促進であると考えられる。
|
Research Products
(1 results)