2009 Fiscal Year Annual Research Report
算数科の教授学習に焦点化した教師の専門性:教師の児童認知と意思決定に着目して
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21830033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 麻沙美 The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 助教 (00539520)
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Keywords | 授業過程 / 教師の知識 / 算数科 |
Research Abstract |
21年度は、2学級の2時間分相当の授業観察、及び児童対象の質問紙調査を行った。(予備調査・研究I) これらの調査が22年度に実施する教師へのインタビュー調査、及び質問紙調査の調査資料、及び予備調査として位置づけられる。授業への参与観察と、インフォーマルなインタビューを行う過程で、対象とした学習単元が一般的な教師が授業を行う際に授業デザインや教科書理解において、困難な単元であることが推察された。また、児童を対象にした質問紙調査では、図を使用したり、言葉で表現することなどを促す質問形式にしたが、教科書レベルの問題であるにもかかわらず、十分に回答ができない児童が散見され、授業観察においても同様であった。こうした予備調査の結果を踏まえ、22年度の研究遂行のため、より考えやすい単元、及び課題を付加することにした。また、教師を対象にした質問紙調査の実施にあたって、Ballら(2000,2005)らの問題を翻訳したものを適用した予備的調査を行い、実施後教師に課題に対するインタビューを行った。Ballらの課題は、教師の教授内容と児童の記述に対する理解を問うものであり、米国における大規模調査で実施されたものである。その結果、断片的に学習者に対する理解の様相を捉える課題は、授業過程においては文脈という情報リソースを考慮しないため、日本の教師にとっては応答しづらい課題であることが示唆された。 上記の結果と、先行研究のレビューを踏まえると、日本の学校教育、教師文化に即した調査へと一部改訂が必要であると考えられる。予備的調査、及び資料収集を21年度の研究計画に位置付けており、計画に即した研究遂行が行われたと考える。
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Research Products
(1 results)