2009 Fiscal Year Annual Research Report
サルモネラのVBNC状態におけるストレス応答関連シグマ因子RpoSの役割
Project/Area Number |
21880005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
楠本 晃子 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 原虫病研究センター, 助教 (60535326)
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Keywords | 細菌 / 食品 / ストレス / 発現制御 / 微生物 |
Research Abstract |
サルモネラが生きているが培養できない(Viable But Non Culturable, VBNC)状態に陥るメカニズムを解明するために、ストレス応答関連シグマ因子RpoSに注目した。RpoSはさまざまなストレスに応答し、ストレス下で生き延びるために必要なさまざまな遺伝子の発現を制御する。 初めに、VBNCにおけるRpoSの役割を調べるために、rpoS遺伝子に変異を持つサルモネラSalmonella Oranienburg株とS.Typhimurium LT2株、野生型rpoS遺伝子を持つS.Dublin株を用いてVBNC状態への移行を調べた。LT2 rpoS遺伝子はalternative initiation codon TTGで始まる。Oranienburg rpoS遺伝子はすべてのシグマ因子で保存された領域内に存在する完全に保存されたアミノ酸にミスセンス変異(D118N)を持つ。LT2株とOranienburg株が2-3日でVBNC状態に陥ったのに対し、Dublin株はVBNC状態に入るのに5日も要した。 次に、rpoS遺伝子欠失株を作製し、VBNC誘導への影響を調べた。LT2 ΔrpoS株とDublin ΔrpoS株はそれぞれLT2株とDublin株に比べ、よりすみやかにVBNC状態へ誘導された。 以上の結果から、RpoSはVBNC誘導を抑制することが示された。LT2株とOranienburg株のrpoS遺伝子の変異はRpoSの発現量や機能に影響を与え、これら2株は野生型RpoSを持つDublinた比べ、すみやかにVBNC状態に誘導されたと推測される。
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Research Products
(6 results)