2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890088
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉本 寿史 Kanazawa University, 医学系, 助教 (20547179)
|
Keywords | 聴覚中枢 / 先天聾動物モデル |
Research Abstract |
1.ヒトの先天聾に類似した、先天聾動物モデルを作成した。作成したモデルは2種類で、(1)科的内耳破壊モデル:冷凍麻酔下に生後1~3日目に蝸牛骨包を解放し、アブミ骨を除去した上で内耳(前庭階)を直接吸引するもの、(2)薬剤性内耳障害モデル:ラットのHearing onsetは生後12日目頃なので、生後1日目から10日間内耳毒性抗菌薬のカナマイシンを仔に腹腔内全身投与したものである。これら2種類の内耳障害モデル動物の個体数を増やして蝸牛の状態とラセン神経節細胞の状態について検討した。難聴の確認のためにはヒト用ABRを改良し転用した装置以外に、動物実験用ポリグラフシステムを用いて完全な難聴が作成されていることを確認した。 2.先天聾モデル動物を用いて、「Hearing onsetがない」ということが、聴覚中枢の正常発達に何らかの影響を及ぼすか否かについて検討した。一般に人工内耳は、脳の可塑性を考慮すると可能な限り早期に装用を開始することが望ましいとされるが、過去には聾の期間の長短によって中枢の変化に違いがおこるかどうかを神経解剖学的に検討した報告はなかった。今回先天聾モデルにおいて、聾の期間の短い幼児期と、期間の長い成熟期において、ニューロトレーサー法を用いて神経投射の変化を検討した。また聴覚中枢神経核には蝸牛と同様にトノトピシティーという周波数局在があるが、先天聾モデルにおいてトノトピシティーに変化が生じるか否かについても、生理学的、神経解剖学的手法を用いて検討した。
|