2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
真下 綾子 Yamanashi Prefectural University, 看護学部, 講師 (80551639)
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Keywords | 患者分類 / 看護必要度 / 看護職員配置 |
Research Abstract |
先駆的に人員配置システムを導入しているフィンランドのヘルシンキ大学病院および、北里大学病院、杏林大学医学部付属病院、京都大学医学部附属病院について調査を行った。ヘルシンキ大学病院のRAFAERA Systemは、1995年よりVasa Central Hospitalで試行され、患者の看護ケア量等の信頼性、妥当性が検証されたのち、フィンランドの各医療機関に広まったシステムであった。このシステムは、OPC=患者の看護ケア密度を示す指標、看護資源(看護職員数)から病棟ごとの1日あたりの看護ケア密度を計算する。また別の指標としてPAONCIL=看護職側からみた看護ケア量の適切レベルを測定し、看護ケア密度とPAONCILのポイントを回帰線で示し、そこから各病棟の看護ケア密度に対する適切なレベル(範囲)を比較するシステムを構築している。 一方、国内では、3医療機関のうち、2医療機関で厚生労働省が診療報酬上に示す「重症度・看護必要度」等以外に入院、退院件数、平均在院日数、離床センサー使用数、等を積極的に測定し、患者分類に役立てていた。また、1医療機関はすでに独自に開発したKNSを活用しており看護必要度は人員配置には活用されていなかった。看護職員側では、どの医療機関でも看護職員数、個々の臨床経験年数、クリニカルラダーを活用しながら職員の配置を行っており、2医療機関では、病棟・外来における職員配置の一元化による効率的な職員配置を進めていた。 また、独自の患者分類システムを構築しているところでは、患者分類から看護ケアニーズを時間の数値で表し、算出していた。さらに、各医療機関とも、人員配置システムをより効果的に構築していくためには、患者分類尺度の精度をあげること、新人を一人前としてカウントしない診療報酬体系、患者のケアニーズを予測できるシステム等の課題を挙げていた。
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