2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Audit and Assurance Framework for Nonfinancial Disclosures
Project/Area Number |
21H00764
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松本 祥尚 関西大学, 会計研究科, 教授 (30219521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 知実 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (00452483)
松尾 慎太郎 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10790868)
異島 須賀子 久留米大学, 商学部, 教授 (20336069)
町田 祥弘 青山学院大学, 会計プロフェッション研究科, 教授 (50267431)
林 隆敏 関西学院大学, 商学部, 教授 (50268512)
小澤 康裕 立教大学, 経済学部, 准教授 (50362819)
上妻 京子 関西大学, 商学部, 教授 (50407334)
堀古 秀徳 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (70755818)
福川 裕徳 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (80315217)
小松 義明 明治大学, 会計専門職研究科, 専任教授 (80364868)
笠井 直樹 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (80584143)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非財務情報 / 保証業務 / 監査業務 / リスク / 信頼リスク / 分析リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、わが国では有価証券報告書等の法定開示書類に含まれるESGやCSR情報等の非財務情報の拡張が議論されているが、その信頼性の確証に関する議論は進んでいない。そんな中、国際監査・保証基準審議会(IAASB)が法定開示書類に含まれる財務諸表以外の情報に対しても監査人が関与することを求める監査基準を定め、企業会計審議会もわが国監査基準に導入した。この結果、わが国でも法定開示書類に含まれる財務諸表以外の情報(その他の情報)に対して監査人が関与することになっている。ただし依然として任意開示書類に対しては、たとえ投融資のための情報であったとしても、当該情報の信頼性を保証する仕組みはわが国には存在しない。つまり情報の信頼リスクと情報の分析リスクから構成される投融資リスクのうち、わが国では情報の信頼リスクが軽減されないまま投融資の意思決定が行なわれていることになる。 そこで2021年度は、資本市場における情報に対する保証の必要性を明らかにするとともに、国際監査基準を既に法定開示書類に対して適用している欧州諸国(イギリス・ドイツ・フランス)、アジア(シンガポール)、大洋州(オーストラリア)、北米(カナダ・アメリカ)の監査・保証制度について実態調査を行ない、財務諸表以外のその他の情報(非財務情報)に対する制度監査・保証をどのような構成要素に基づいて提供させているのか、を明らかにした。 同時に、2022年度以降に予定している非財務情報に対する監査・保証の必要性やその効果を実証的に検証する準備段階として、非財務情報に対する保証を扱ったわが国及び海外における先行研究を渉猟し、そこで用いられている検証方法や結果について要約し報告している。 これらの実態調査ならびに先行研究サーベイについては、2021年度の日本会計研究学会特別委員会における中間報告書として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非財務情報に対する保証に対する保証は、法定開示情報に対するものと任意開示情報に対するものに区分される。このうち法定開示情報に対する信頼性の保証の実態を日本会計研究学会全国大会において中間報告を行ない、その成果を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度において法定開示制度における非財務情報に対する監査・保証の役割や内容を明らかにしたため、2022年度はわが国を含む各国で任意開示されている非財務情報に対して、どのような保証が付与されているかを実態的に調査し、その結果を明らかにする。この実態調査により、任意開示で求められている非財務情報に対する保証業務において、誰が、どのような基準に基づいて、何に対して、どんな水準の保証を提供しているのか、を検証する。 同時に任意開示の非財務情報に対する保証報告書による経済的効果を、アーカイバル・データによる実証的研究と実験的研究により捕捉する予定である。 これらの研究成果は、2022年度の日本会計研究学会特別委員会の最終報告書に収録される。
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Research Products
(2 results)