2021 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive research on the compensation and relief for Minamata disease sufferers and victims and the regional restoration
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21H00787
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
花田 昌宜 (花田昌宣) 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30271456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 ゆかり 熊本学園大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10548564)
森下 直紀 和光大学, 経済経営学部, 准教授 (40589644)
中地 重晴 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (50586849)
田尻 雅美 熊本学園大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (70421336)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水俣病 / 公害 / 被害補償 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、コロナ感染症の蔓延のため、勤務校において出張に関する制限が課せられていたこと、訪問調査先が水俣病罹患者が多く、面接も限定的にならざるを得なかったことから、調査内容にも大きな影響が出た。 本年度の研究調査の実施計画は、評価手法の開発検討という方法論的課題および現地調査として(1)不知火海沿岸地域の漁村における生業調査と健康被害調査および(2)生活実態と健康被害の検討の二つであった。 評価手法開発研究の一つとして、過去の汚染と被害を推定する記録として臍帯水銀値の記録の収集と分析結果の評価を取り上げた。臍帯水銀値に関しては従来より原田正純による研究が基礎となって来たが、その後の新たなデータも加えて中地によって再評価され研究会で報告されるとともに論文として公刊された。 (1)健康被害調査に関しては、医療機関や福祉施設利用者の面接調査や検診の実施が困難であるため、水俣病に関する係争中の訴訟記録や行政不服審査記録のうち本研究グループがアクセス可能な資料群を活用した。(個人データの活用に関しては倫理的配慮を行なっている。)診察や検診に基づく記録に基づいた医療的あるいは客観的な被害の分析のため、原告(水俣病被害者)・被告(国行政機関並びに原因企業)双方の主張を整理するとともに判例分析をとおして、検討を行った。生業調査に関しては、勤務校の水俣学研究センターに所蔵されている記録並びに行政機関などに保存されている記録の収集に努め、目録・データ化を進めている。 (2)で予定していた聞き取り調査のうち施設入所者、医療機関入院者については面会の制限がかかっており延期せざるを得なかった。在宅療養者の聞き取りや資料収集を行った。 研究報告の機会として、本年1月に水俣市で水俣病事件研究交流集会をハイブリッド方式で開催し200名近くの参加を得て内外の多くの研究者の意見を聞くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にも記したが、コロナ感染症の蔓延の影響から、医療機関や入所施設の利用者に対する面接調査は延期せざるを得なかったため、調査の順番を変更することなどの工夫を重ねながら、資料収集と分析にかんしては順調に進んでいる。 医療機関や入所施設の利用者に対する面接調査は、コロナ感染症の蔓延状況を踏まえつつ、第二年度に家族や関係者の了解を得ながら面談の機会を設けたい。 資料や行政資料などに関しては、水俣市や芦北の地元図書館の利用、水俣の国立水俣病研究センターで一時利用制限がかかったが、現在はおおむね利用可能になっており、問題はなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の計画に関しては大きな変更を加える必要はないと判断している。資料や記録に基づく調査に関しては、水俣学研究センター(本学ならびに水俣現地研究センター)の資料の登録整理が進んでおり、とりわけ熊本大学に保存されていた水俣病研究会資料や水俣病訴訟にかかる複数の弁護団資料が活用可能となっているので、それらの利活用が可能であり必要である。 医療機関や入所施設の利用者に対する面接調査はコロナ感染状況をふまえて、工夫をしながら進めていく。水俣病患者調査では、重篤な方、症状の重い被害者から優先的に検診や面接調査を行なっていくのが通例であったが、現下の状況では症度に関わらず、調査の順序を定めていく。 9月に水俣学研究センターが若手研究者セミナーを開催するが、その機会を活用して、研究実施に関する討論を行い、調査手法や成果報告に関してブラッシュアップをおこなう。 本年度1月(2023年1月)に開催が予定されている水俣病事件研究交流集会で、研究成果の中間報告をおこない、全国から参集する専門研究者らから意見を聞く。 なお、調査研究実施にあたってはインターネットの活用が行われているところであるが成果発表に関しても積極的に活用して広く発信していく。また英語での発信にも留意し、従来から交流のあるカナダ、タイ・インドネシアなど東南アジアや中国の研究者や被害者支援者らとの双方向の情報と意見の交換も積極化していく。
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Research Products
(9 results)