2021 Fiscal Year Annual Research Report
災害安全対策能力を備えた小学校教員育成のための総合プログラム開発に関する研究
Project/Area Number |
21H00841
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
濱名 陽子 関西国際大学, 教育学部, 教授 (60164919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 富雄 関西国際大学, 心理学部, 教授 (00870362)
村田 昌彦 関西国際大学, 経営学部, 教授 (70643245)
山本 秀樹 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (60352952)
松尾 和宣 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (90826794)
田中 綾子 関西国際大学, 経営学部, 講師 (20845086)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教職課程 / 安全管理 / 防災教育 / 小学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小学校において安全管理・防災教育を担うことができる教員養成のための標準プログラムの提案であり、具体的には、同プログラムに関して、①教育理念と目的の整理、②教育手法の開発、③評価方法の開発、④効果の検証に取り組むことである。 本年度は、プログラム開発にあたり、理論研究と実践研究を並行して進めた。 まず、理論研究では、研究チームによる定期研究会の開催ならびに外部有識者を招いて講演会を開催し、「小学校における教員の災害対応能力の課題」についての意見交換を行った。それらを研究ノート「安全管理、防災教育ができる小学校教員に求められる能力に関する整理」(山本・松尾・濱名、2022年3月、教育総合研究叢書第15号)にまとめ、①教育理念と目的の整理を進めた。併せて②③④の実施準備として、試行科目「特別研究」を教育学部に2022年度秋学期に新設するため、シラバスの作成と授業運営に必要な物品を整備した。 次に、実践研究では、兵庫県内の小学校の協力を得て4年生14名を対象に、教職課程の学生による防災教育出前授業を遠隔にて実施し、そのプロセスと学習の要点を「特別研究」に反映した。具体的には、阪神・淡路大震災のインタビューを授業趣旨にあわせて編集した動画教材と学生らが開発・改良したワークショップ教材の2種を用いて実施し、改善点をふまえ、防災教育に関する「児童の発達段階に応じた指導案の作成」「目的に適った防災教育教材の作成」「新しい情報や資料の活用(オンライン機材操作や遠隔での手法を含む)」ができるようになるための教育コンテンツとして「特別研究」に組み込んだ。 以上の理論ならびに実践研究により、①②については一定の成果があげられている。③④については、本プログラムに適した評価ルーブリックの検討と、学校現場における有効性の調査設計に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラム開発にあたり、初年度に試行プログラムの整備をほぼ終えることができたのは順調といえる。一方で、コロナ禍により被災地調査や学校現場でのヒアリング調査が実施できず、資料・文献による検討が中心となった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍による移動や交流の制限は学校教育全般にも変革をもたらしており、教育・研究・調査にもデジタルやオンラインの主流化が起きている。これらをふまえ、調査のデジタル化に加え、今後教員となる学生に対してもDXを積極的に含めた教育プログラム開発を目指す。
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