2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of spectroscopic diagnostic methods for magnetically confined plasmas using high sensitivity measurements of Stark and Zeeman effects
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21H01054
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
四竈 泰一 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80456152)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 近赤外分光 / 周辺プラズマ / 逆変換 / マイクロ波 / ECH |
Outline of Annual Research Achievements |
磁場閉じ込め核融合炉の開発では、今後ITERやDEMOをはじめとする強磁場・大電力加熱の実験が中心となり、電磁場を利用したプラズマ診断の重要性が高まると考えられる。電磁場を利用した診断は、分光ではシュタルク・ゼーマン効果による輝線の波長分裂を用いて行われるが、標準的な可視分光の場合、これらの分裂は線幅(ドップラー広がりと分光器装置幅)に隠されてしまい精密計測が難しい。そこで本研究では、シュタルク・ゼーマン効果とドップラー効果、装置幅の波長依存性の違いに着目し(前者は2乗、後者は1乗以下に比例)、近赤外分光を使ってシュタルク・ゼーマン効果を高感度で計測する。また、この結果得られる精密な電磁場情報を利用することで、2種類のプラズマ診断を実現する。
【課題1】「ゼーマン効果の高感度計測による原子輝線スペクトル空間分解法」:分光計測される原子輝線スペクトルが視線上の発光位置ごとに異なる大きさのゼーマン効果を受けることを利用し、視線積分スペクトルを局所スペクトルへ分解する手法を開発する。【課題2】「ACシュタルク効果の高感度計測によるマイクロ波電場ベクトル診断法」:ジャイロトロンから放射されるコヒーレントマイクロ波中でドレスト状態となった水素原子の輝線スペクトルを分光計測し、スペクトル中心・サブピークの形状解析からマイクロ波電場を求める。
2022年度は、ヘリオトロンJ装置を用いて課題1、2の研究を進めた。【課題1】1視線で計測したヘリウム原子の視線積分スペクトルを原子輸送計算を用いて再構成し、視線上のスペクトル空間分布推定に成功した。成果は論文発表し、プレスリリースを行った。【課題2】マイクロ波と交差する視線で重水素原子スペクトルを計測し、ACシュタルク効果の可能性がある信号を得た。S/Nが不十分だったため次年度にS/Nを向上させた再実験を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
課題1、2ともに、研究計画で2022年度までに予定していた項目の実施を完了しており、課題2については、2023年度に予定していた実験を前倒しして実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は最終年度であり、【課題1】については、輝線の種類および放電・計測条件を変えた実験を行ってデータ量を増やすとともに解析を継続する。【課題2】については、スペクトルS/Nを向上した再実験を行い、成果を得ることを目指す。
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