2023 Fiscal Year Annual Research Report
Systematic study of restoration of broken chiral symmetry
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21H01102
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
青木 和也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (70525328)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カイラル対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
カイラル対称性回復現象の系統的研究を遂行する為に、J-PARC E16実験の、特にトラッキング検出器の準備をすすめている。具体的には実験の最内層トラッキング検出器であるシリコン検出器を完成させて、E16実験エリアへインストールした。しかしながら予定していたコミッショニングビームタイムは、加速器の事情により10時間で終了してしまい、十分な性能評価ができなかった。そこでKEK PF-ARにおいてテスト実験を行った。その結果4.8nsecという十分な時間分解能と、99%以上という高い検出効率を得られることがわかった。しかし同時に、斜め入射に対して効率が著しく悪化し60%となってしまう事が判明した。検討の結果、信号時刻を取得するための閾値設定が高すぎた事が原因であることがわかった。ストリップ幅が58umと細いため、斜め入射だと信号が多くのストリップに分散し、信号強度が減少してしまう。一般的なシリコン検出器と異なりセルフトリガー仕様で動作させなければならない為、閾値の設定は肝要である。そこで、自由に生信号を見ることができない制約の中で。適切な閾値を設定する手法を確立した。テスト実験中に新たに発生した問題として、シリコンにバイアス電圧をかけるとLVDSデジタル通信が不安定になるという現象が現れた。これについてはLVDS伝送用の信号線が完全にフローティングであったことに着目し、それを抵抗を介してグランドに落とすことによって通信の安定性を向上させることができた。これら改善を施し、シリコン検出器を再びE16実験エリアへインストールした。また、製造したGEMトラッカーについてもE16実験エリアへインストールを完了させることができ、次年度に再び行えることが決定したコミッショニングランに備えている。その結果を実験課題審査委員会へ提出し、物理ランを勝ち取る。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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