2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing a standard curve for Holocene geomagnetic variations around Japan
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21H01171
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 裕二 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (00452699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 健 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (00574196)
林田 明 同志社大学, 理工学部, 教授 (30164974)
馬場 章 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (30771688)
望月 伸竜 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (60422549)
山崎 俊嗣 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80344125)
金松 敏也 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門, 専門部長 (90344283)
小田 啓邦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (90356725)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 古地磁気 / 岩石磁気 / 地磁気永年変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
完新世は地球人間圏科学において最も重要な地質時代の一つであり、当該時代の地層に適用できる年代推定法の開発・改良が待望されている。本研究では、完新世における日本周辺地域の地磁気変化の特徴を高精度・高時間分解能で明らかにして、地磁気変化の標準曲線をすることを目指す。 静岡県伊豆市・伊東市に分布する紀元前3000~1000年と推定されている火山噴出物について、野外調査を実施し、大室山・伊雄山から噴出した溶岩流を複数サイトにおいてブロックサンプリングした。福島県吾妻火山について、歴史時代に噴出した火山弾の古地磁気データに関する新知見をまとめ、成果を公表した。 遠州灘コアについて、古地磁気強度相対値分析のための残留磁化測定に着手し、海底面~海底下約40 mの区間について、非履歴性残留磁化と等温残留磁化の分析を進めた。古地磁気強度相対値の信頼性の評価のために、低温磁気分析も進めた。白鳳丸KH-22-3航海において南西諸島海域で採取されたピストンコアについて、過去数万年間カバーすると推定され、高解像度古地磁気永年変動研究に適していると考えられる。これらのコアから試料採取を行ない、磁化率異方性測定によりコア採取時の物理的乱れが少ない試料であることを確認した。日本海溝コアについて、IODP 386次研究航海に参加し長尺コアを多数得た。古地磁気永年変化による年代決定が可能か自然残留磁化の測定を行なった結果、39°Nより南側では比較的良好なデータが得られる見込みである事が分かった。 宍道湖西岸の完新世コア(HK19コア)について、中位の閉鎖的汽水域の堆積物において,還元的初期続成作用によって磁性鉱物が溶解あるいは変質し,残留磁化の記録に影響が及んだことを明らかになった。その上位では,汽水から淡水環境への変化に対応して細粒マグネタイトの含有量が増加しており,12世紀以降の地磁気永年変化が記録されている可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のために、当初計画に比べて野外調査や実験・分析などが遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍に伴う各種制限が緩和されつつあるため、野外調査や実験・分析などを進める。
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Research Products
(12 results)