2021 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the physics of foreshocks based on dense seismic observation and seismicity model
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21H01191
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
直井 誠 京都大学, 防災研究所, 助教 (10734618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 正生 東京大学, 地震研究所, 教授 (90345174)
飯尾 能久 京都大学, 防災研究所, 教授 (50159547)
岩田 貴樹 県立広島大学, 公私立大学の部局等(庄原キャンパス), 准教授 (30418991)
平野 史朗 立命館大学, 理工学部, 助教 (60726199)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 深層学習 / 震源カタログ構築 / 前震活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,独自の稠密観測データから小さな地震を徹底的に探索して超高品質の地震カタログを作成し,大地震発生前に見られる前震活動が本質的な意味での前兆かを,現実の複雑性を適切に反映した地震活動モデルで検証することである.本年度は,高効率・高精度の地震カタログを作成する手法の開発を目指し,イベント検出・走時検測・P波初動極性読み取り・震源決定などにおいて深層学習の利用を試みた.構築した手法を利用し,長野県西部・山陰・近畿地方に展開している稠密地震観測網および周辺の定常観測点のデータを統合処理して,広域にわたる多点のイベント波形データセットおよび自動震源・読み取りデータセットを構築した.また,室内水圧破砕実験で得られたAEデータに深層学習によるP波初動極性読み取りを行い,10供試体の実験,5万個ほどのAEイベントのモーメントテンソル解を評価し,結果を出版した.連続波形の中から地震による類似波形を自動検出する手法の改良も試み,波形相関法を従来より1万倍程度高速化することにも成功した.同手法により1ヶ月程度の連続波形であれば相関係数を計算可能であることを示した. 中規模の地震活動がETASによる予想に比べ明瞭に静穏化した事例が1970年代から多く報告されている.この傾向が有意なものかを検証するため,客観的ルールを設定して成績を評価したところ,ルールのパラメタを調節すると偶然では説明しがたい良い成績が得られた.ただし,パラメタの調整において過学習が起きている可能性を考慮し,学習と成績評価に使うデータ期間を別期間にするクロスバリデーションを試みたところ,サンプル数が少なく,明瞭な結論は得られなかった.しかしながら,本手続きは一般性があり,静穏化に限らず前震等さまざまな現象の先行性評価に用いることができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
深層学習のポテンシャルを最大限に活かすため,通常,イベント検出・走時検測・Phase Association・震源決定というように多段階のプロセスを踏む震源カタログ作成プロセスを見直し,深層学習による走時確率,トレースの評価結果から,直接的に震源決定を行う手法を検討した.震源決定を回帰問題として扱う深層学習ネットワークでは精度のよい震源決定を行うことが難しいことがわかったため,別のアプローチを検討中である. 長野県西部・山陰・近畿地方の観測データにおいては, 2015年から約5年間のデータ処理を行った.真のエキスパートによる精度の高い教師データの作成および機械学習による読み取りシステムの構築により,テストデータにおいて,人間と同程度の精度を持つ読み取り結果を得るとともに,読み取り精度の客観的な評価を可能とした. 成果を出版済みの室内水圧破砕実験で得られたAEのP波初動極性の読み取りについて,同手法を改善し,P波初動極性ではなく,P波初動振幅をより直接的に読み取る手法を開発するとともに,改善した手法をもとに得られたモーメントテンソル解を利用して,個々のAEイベントの絶対規模(モーメント・マグニチュード)の推定にも成功した.また,これらのコーナー周波数の推定にも成功しており,水圧破砕実験では通常の地震に比べて低周波が卓越するイベントが多発することを示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究グループでは,国内外において,世界でも類を見ない超高解像度で地震活動を解析できる独自の稠密観測データを蓄積している.上記観測で得られた波形データへの適用を進めるとともに,引き続き従来手法に比べて微小なシグナルを検知できる機械学習による地震検出手法の開発を行う.走時検測処理,初動極性読み取りを行う深層学習ルーチンはすでに開発済みであり,残る課題として,Phase Association処理の高度化・高速化を実施する予定である.開発した手法を我々が持つ独自データに適用し,地震カタログの作成を実施する.構築した読み取りシステムにより,満点観測網で得られた全データを処理して,人間と同程度の精度を持つ読み取りデータセットを構築する予定である.類似波形抽出の高速化においては,本年度改善した手法によって計算された相関係数と,それ以外の高速計算可能な指標を併用することで,効率的に類似地震波形を検出する方法の検討を続ける.また,「全地震が余震を引き起こす」よう改良した摩擦構成則に基づく地震活動モデルに非定常な応力変化を組み入れた場合,どのような地震活動が表現されるか実データへの適用から検証を進めている.これを踏まえてETASモデルとの混合モデルなどの地震活動モデルの開発を行う.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Preparatory AE activity of hydraulic fracture in granite with various viscous fluids revealed by deep learning technique2021
Author(s)
Rui Tanaka, Makoto Naoi, Youqing Chen, Kazune Yamamoto, Keiichi Imakita, Naofumi Tsutsumi, Akihiro Shimoda, Daiki Hiramatsu, Hironori Kawakata, Tsuyoshi Ishida, Eiichi Fukuyama, Hiroyuki Tanaka, Yutaro Arima, Shigehiro Kitamura, Daisuke Hyodo
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Journal Title
Geophys. J. Int.
Volume: 226
Pages: 493-510
DOI
Peer Reviewed
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