2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of typhoon ensemble forecasting system based on the source inverse problem of potential vorticity
| Project/Area Number |
21H01431
|
|---|
| Research Institution | Gifu University |
|---|
Principal Investigator |
吉野 純 岐阜大学, 大学院工学研究科, 教授 (70377688)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
| Keywords | 自然災害 / 気象学 / 水工水理学 / 防災 / 高潮 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では，台風初期値化手法として渦位逆変換とデータ同化を組み合わせた「台風渦位ソース同定」を開発して，独自の高解像度台風モデルをベースとする「高解像度台風アンサンブル予報モデル」を構築し，台風に伴う高潮や大雨の予報のばらつきを考慮できる「高解像度台風外力アンサンブル予報システム」を完成させることを目的とする．
最終年度となる今年度は，3次元渦位方程式をベースとする特異ベクトル法を新たに開発して，上陸前に予測の不確実性が大きかった2023年台風7号を対象として台風アンサンブル予報のための初期摂動を評価した．特に，台風渦位を取り除いた環境渦位に対して初期摂動を評価することで，初期摂動の台風周辺の局所化を回避できることを明らかにし，より少ないアンサンブルメンバーで台風進路の不確実性を評価できる可能性を示した．
また，2023年台風7号を対象として，伊勢湾における高潮アンサンブル予報の高度化について検討した（名古屋港で60cmの高潮を観測）．数少ないアンサンブルメンバーだけで高潮の不確実性を表現するのは不十分であるため，機械学習の分野のオーバーサンプリング技術として利用されるSMOTEを利用して，中心位置，中心気圧，および最大風速半径の台風属性値に対して合計1000メンバーのデータ拡張を行い，経験的台風モデルと１層非線形波方程式により伊勢湾内の巨大高潮アンサンブル予報を行った．進路予報誤差を複数のパターンに分類し，分類ごとに潮位偏差の出現頻度分布を可視化することが可能となった．
本システムを利用することで，時々刻々と変化する台風予報の誤差を考慮に入れた機動的な減災対策の実現が期待される．
|
| Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
| Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
| Remarks |
気象予報業務許可（第87号）
|
