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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Historical Research on the Settlement and Public Housing of Modern Japan referring to the Movement in the UK and USA

Research Project

Project/Area Number 21H01521
Research InstitutionKanagawa University

Principal Investigator

須崎 文代  神奈川大学, 建築学部, 准教授 (20735071)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 和幸  近畿大学工業高等専門学校, 総合システム工学科 都市環境コース, 教授 (50805520)
印牧 岳彦  神奈川大学, 建築学部, 助教 (00962888)
姜 明采  神奈川大学, 建築学部, 助教 (30966693)
内田 青蔵  神奈川大学, 建築学部, 教授 (30277686)
泉水 英計  神奈川大学, 経営学部, 教授 (20409973)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsトインビー・ホール / イライジャ・フール / チャールズ・ロバート・アシュビー / オクタヴィア・ヒル / 帝大セツルメント / 東北セツルメント / 今和次郎 / アーツ・アンド・クラフツ運動
Outline of Annual Research Achievements

本研究は国内外の主要なセツルメントハウスの建設動向や特徴を捉えること目指すもので、
本年度の繰り越し分として実施した調査は、昨年度実施したトインビー・ホールの調査に加え、同館を含むロンドンを中心としたセツルメントハウスの建築群およびそれらの設計に携わった主要な建築家であるイライジャ・フールとチャールズ・ロバート・アシュビーの設計思想や作品について調査・検討を進め、それらの特質について研究発表を行った。なかでも、フールとオクタヴィア・ヒルの関係性(とりわけ労働者住宅の改良やコテージハウスの建設)や、アシュビーとアート・ワーカーズ・ギルドの関係については今後さらに調査研究が必要な点として分担者間で認識された。さらに、以上の知見の一部は、日本建築学会大会学術発表会において報告を行っている。それらの背景にはジョン・ラスキンやアーツ・アンド・クラフツ運動の関与も示唆された。
国内調査としては、昨年度より継続して戦前期の日本におけるセツルメント運動(隣保事業)の導入を主な調査対象とし、基礎文献の収集とデータベースの構築、文献調査と現存遺構の確認といった基礎的な研究基盤の構築を目指した。具体的な対象としては、帝大セツルメント、東北セツルメント、同潤会における善隣館、その他の地方都市における隣保館の建設動向について調査するとともに、東京、横浜、京阪等に建設された社会施設について調査・検討を行った。調査の結果得られた知見の一部は学会発表その他で報告を行っている。なかでも、いくつかのセツルメントの設計者である今和次郎の役割について日本国内での展開の中心人物となっていた可能性が指摘された。また、その作品のひとつである帝大セツルメントの調査部は『柳島元町戸口調査報告』(大正14年)を発刊し、柳島セツルメントを建設するなど同潤会における事業との強い関連が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題は、2022年度の計画内容を翌年に繰り越し、2023年度にまたがって調査研究を行った。2021年度から2022年度はコロナ禍の影響から海外渡航調査を中心とした研究活動の制約を受けたが、2023年度はおおむね順調に遂行できたといえる。

Strategy for Future Research Activity

2022年度の調査研究としては主にイギリス・ロンドンを中心としたセツルメントハウスの建設について調査研究を行い、上記の研究業績を残した。ロンドンのセツルメントハウスのうち、世界的先駆となったトインビーホールは各地に広く影響を及ぼしたが、なかでもとくに重要な拠点となったのはアメリカ・シカゴである。
シカゴでは、のちにノーベル平和賞を受賞するジェーン・アダムスらによってセツルメントハウス「ハルハウス」が建設されたが、これはトインビー・ホールに直接影響を受けたものである。その後、シカゴでは多数のセツルメントハウスが建設された。そこで、2023年度は主にアメリカ・シカゴにおけるセツルメントハウスの建設動向について、ハルハウスを中心に現地調査を実施する計画である。具体的には、ハルハウスほかシカゴに現存するセツルメントハウスの遺構調査と、ハルハウスミュージアム、イリノイ大学ハルハウスアーカイブ等における文献調査を行う。
国内におけるセツルメントハウスの展開としては、以前から継続している仏教系セツルメント、企業系セツルメントおよび上記の帝大セツルメント、東北セツルメント、同潤会における善隣館等に着目し、引き続き調査・分析を進める。
なお、2023年度は最終年度にあたることから、各種学会で研究発表を行うとともに、書籍化を目指した研究取りまとめの作業を進める計画である。
(実際には、2022年度繰り越し分と2023年度の研究計画を並行して推進した。)

  • Research Products

    (6 results)

All 2023

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 戦前のセツルメントと新潟県小千谷市極楽寺の住職・麻田昭道 -京都帝国大学文科大学文学科の選科生-2023

    • Author(s)
      田中和幸、水野僚子、須崎文代、内田青蔵、泉水英計、印牧岳彦、姜明采
    • Journal Title

      近畿大学工業高等専門学校研究紀要

      Volume: 16 Pages: 77-81

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 近代における生活共同体の 探求ーセツルメントハウスを中心としてー2023

    • Author(s)
      須崎文代
    • Journal Title

      土香る会会報

      Volume: 15 Pages: 8-8

  • [Journal Article] 家事労働の共同化を通じた生活共同体の探求2023

    • Author(s)
      須崎文代
    • Journal Title

      すまいろん 2023年冬号  特集:「コモンズと住まい」

      Volume: 112 Pages: 42-45

  • [Presentation] 英国のセツルメント運動に関する建築学的研究 (1)トインビー・ホールの建築的特徴とその評価について2023

    • Author(s)
      水野僚子・印牧岳彦・須崎文代・田中和幸・泉水英計・姜明采・内田青蔵
    • Organizer
      2023年度日本建築学会大会学術講演会
  • [Presentation] 英国のセツルメント運動に関する建築学的研究 (2)建築家Elijah Hooleの活動について2023

    • Author(s)
      印牧岳彦・水野僚子・須崎文代・田中和幸・泉水英計・姜明采・内田青蔵
    • Organizer
      2023年度日本建築学会大会学術講演会
  • [Presentation] 英国のセツルメント運動に関する建築学的研究 (3)日本国内におけるトインビー・ホールの理念の受容に ついて2023

    • Author(s)
      須崎文代・印牧岳彦・水野僚子・田中和幸・泉水英計・姜明采・内田青蔵
    • Organizer
      2023年度日本建築学会大会学術講演会

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Published: 2024-12-25  

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