2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of regional peculiarities focusing on external forces and boundary conditions that cause widespread shallow landslides
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21H01581
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
厚井 高志 北海道大学, 広域複合災害研究センター, 准教授 (40845294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 紀文 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00323478)
吉本 充宏 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (20334287)
執印 康裕 九州大学, 農学研究院, 教授 (60221305)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大規模表層崩壊 / 斜面安定解析 / 安全率 / 火山体崩壊 / 構成物 / 富士山 / 御嶽山 |
Outline of Annual Research Achievements |
1984年9月14日の長野県西部地震に伴って発生した御嶽山南斜面の斜面崩壊について,崩壊面とそれに関与した地層を検証するために地質調査を実施した。また,富士山における火山体崩壊を理解するために,静岡県駿東郡小山町の道路工事現場に露出した堆積物を調査し,約19000年前の堆積物であることを明らかにした。本体堆積物には多様な溶岩岩塊が含まれることから複数の溶岩流を含む範囲が崩壊したと考えられる。さらに,GPRを用いて調べた土層構造との関係から,火山地域での崩壊の発生形態や降雨との関係を検討した。また,崩壊によって流動化した土砂の到達範囲や堆積形状に関する検討も行った。現地調査結果を踏まえて,対象とする火山地域の地質的な特徴や地震動を考慮した斜面安定解析を実施して,大規模表層崩壊の発生可否を安全率を指標として試行的に評価した。さらに,大規模表層崩壊を引き起こす①:豪雨外力の日降水データによる確率的評価の検討ならびに②:豪雨外力の長期時系列トレンドと崩壊の関係について検討した。その結果①については,大規模表層崩壊を引き起こす可能性が極めて高い1/300確率までの豪雨の推定手法を提示し,②については,概念モデルを適用することによる豪雨の長期トレンド解析が有効である可能性を提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査の実施が新型コロナウイルス感染症流行に伴う国内移動制限の影響を受けてやや遅れている。そのほかの実施内容については大きな遅れは生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで実施した現地調査結果を踏まえ,火山地域で地震動により発生する大規模表層崩壊の発生メカニズムを斜面の安全率Fsを考慮して検討する。必要に応じて,異なる境界条件を設定してFs<1となる外力の感度分析を行う。なお,地震に起因する崩壊には地震加速度を,豪雨に起因する崩壊には火山地域特有の鉛直浸透をそれぞれ外力として,シナリオ検討により地震に起因する崩壊域と豪雨に起因する崩壊域の違いを示す。さらに,日本全国の火山地域を中心に特に地質に着目した境界条件をGIS上で統合的に扱えるデータセットを構築する。火山地域で地震に伴って発生する表層崩壊は比較的新しい火山噴出物に覆われた地域で発生する。そこで,この数万年以内に噴火した実績を有する火山のうち,対象とした4地域と類似する火山地域を抽出する。そのうえで,抽出した噴火イベントについて既往文献から噴火ごとの等降灰厚線をGIS上で整理する。ハザード評価は,境界条件と外力との組み合わせから,それぞれの地域で生じる現象の「特殊性」を類型化して,その分布を全国的に示すようにする。以上より,地震に起因する崩壊と豪雨に起因する崩壊の差異を踏まえて,日本全国を対象とした大規模表層崩壊ハザードマップをWebGIS上で扱える形式で作成する。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Detection and Velocimetry of Floating Wood-Debris for Flood Disaster Risk Management using Electromagnetic Imaging2023
Author(s)
Gomez, C, Hotta, N, Miyata, S, Bradak, B, Kataoka, M, Ashikaga, K, Persendt, F
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Journal Title
IECG2022 Proceedings sciforum-065204
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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