2023 Fiscal Year Annual Research Report
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21H02142
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山崎 正夫 宮崎大学, 農学部, 教授 (80381060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 久博 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (60533221)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 低酸素 / 脂肪細胞 / 共役リノール酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では機能性脂質の一種である共役リノール酸 (CLA) をツールに、脂肪組織での『低酸素ストレス抑制』を新たな生活習慣病予防法として確立することを目的とした。本研究での具体的な戦略として、 1. CLAが脂肪細胞において低酸素状態でも細胞内酸素濃度を下げない 2. CLAが脂肪細胞において低酸素ストレスを抑制するように代謝系を変化させる という2つの仮説を細胞および個体レベルで評価することとした。 1においては、96ウエルでの3T3-L1脂肪細胞培養系を利用し、酸素消費速度を解析するための評価系を構築した。培地中溶存酸素レベルをモニターすることによって酸素消費速度 (Oxygen Consumption Rate; OCR) として算出した。CLAは低酸素条件においてHypoxia-inducible factor 1aplhaの安定化を抑制することが明らかとなり、低酸素応答を抑制することが示唆された。さらに、CLAのうち10trans, 12cis型はOCRを抑制することが示唆されたが、9cis, 11trans型やリノール酸にはそのような効果が観察されなかった。2においてはin vitroにおいては低酸素状態で3T3-L1細胞を培養し、細胞内における代謝物変化をDI/EI/MS法でメタボローム解析するとともに、脂肪細胞の形質プロファイルを評価するため産生されるアディポカインの解析を実施した。メタボローム解析の結果から、代謝物組成は通常(20%)酸素と低酸素 (1%) 条件でパターンが異なっており、CLAの添加でさらに変化することが示された。また、in vivoにおいてはCLAが肥満動物の脂肪組織でアデニロコハク酸経路を活性化することが示唆された。これらの結果は、CLAをツールとした新たな生活習慣病予防の標的を提唱するものである。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)