2021 Fiscal Year Annual Research Report
宍道湖流域の水草相の過去から現在~環境DNAを用いた広域解析~
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21H02220
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
小室 隆 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 専任研究員 (40782561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 伸二 人間環境大学, 人間環境学部, 准教授 (40228945)
牧 雅之 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (60263985)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 宍道湖 / 環境DNA / 水草 / ツツイトモsp. |
Outline of Annual Research Achievements |
国内の河川や湖沼などでは,水草の異常繁茂が問題視されている.本研究対象地の宍道湖では,2009年頃より水草が急激に増加し,水深4m付近 まで繁茂している.この異常繁茂している水草は宍道湖においてこれまで確認された記録はなく,移入経路が不明である.さらには基礎的な生 態情報が不明であることから,効果的な繁茂抑制対策が行えていない.そこで,本研究では宍道湖とその流域全域を調査対象とし,現生の水草 と堆積物中のeDNAを中心に「繁茂水草の起源や侵入経路と経緯の解明」,「繁茂水草の生態特性の把握」,「集水域全体の水草の潜在的リスク の評価」することで,過去から現在までの水草の移入経路と変遷過程を解明する.2021年度は宍道湖流域内の宍道湖の北側のため池を中心に調査を行った。調査ため池を対象に夏と秋に調査を実施した。その結果,宍道湖湖内で確認されているツツイトモsp.が周辺のため池や水路でも生息していることが明らかとなった。環境DNAによる分析では,抽出方法が適切ではなかったため,PCRでの解析において,期待していた結果を得ることができなかった。堆積物からのDNA抽出はうまくいっているが,水草に特化したプライマー,プローブの設計において問題点があるため,引き続き設計を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
堆積物の採取は無事に完了しているが,サンプルからのDNA抽出に遅れが出ており,また年代測定を依頼する予定であった分析会社の予約枠が埋まっていたため,年代測定を実施することが困難となったため。また,研究代表者の家族の体調不良のために思うように実施ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
採水については,2022年度において宍道湖の南岸部を含めて採水を行い,濾過まで行っている。抽出方法を改善した上で,全サンプルを対象に水草の網羅的解析を実施する。水草のユニバーサルプライマーの改良を引き続き実施していく。そして,水草サンプルの同定結果から,今後宍道湖に侵入する可能性がある水草のリストアップを行う予定である。堆積物の年代測定は次年度開始直後に,測定会社と調整し今年度の分析枠を確保する。
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Research Products
(1 results)