2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of optical sensing technology for eco-physiological functions and their integrated controls of crop leaf-root systems
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21H02318
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安武 大輔 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90516113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐合 悠貴 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (20648852)
北野 雅治 高知大学, IoP共創センター, 特任教授 (30153109)
江口 壽彦 九州大学, 実験生物環境制御センター, 准教授 (40213540)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 葉群 / 根群 / スペクトルデータ / 光合成能 / 根のバイオマス / 乾物重 / 分配 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究二年目である令和4年度は,目標1「葉群の“透過光スペクトル”利用による光合成動態・関連パラメータの光センシング」と目標2「根群の“可視・ハイパースペクトル画像”利用による成長・養分吸収動態の光センシング」についてそれぞれ以下の内容に取り組んだ. 目標1については,とくに個葉スケールに着目し,個葉の透過光スペクトルを計測するシステム一式(分光器,照射光ユニット,積分球など)を構築した.個葉の透過光のスペクトル情報(400 - 900 nm)と光合成能を表す2つのパラメータ(最大カルボキシル化速度,最大電子伝達速度)のデータセットを多数用意した.これらのデータセットを利用して,個葉のスペクトルデータを入力情報とした部分最小二乗回帰により光合成パラメータ(葉温25℃で正規化)を推定することを達成した(平均平方二乗誤差は10.5~11.6%). 目標2については,前年度にNFT水耕栽培においてハイパースペクトルカメラの利用環境を構築し,ホウレンソウの根を異なる成長段階に分類するできた.本年度は根のバイオマス量として乾物重を推定するために,NFT水耕栽培システムに工夫を加えて根が短冊状に成長するようにした.それによって,直線状(一次元)に成長した根群のスペクトル情報と乾物重のデータセットを用意した.これらのデータセットに基づいて,根の乾物重を推定するために最適な波長の選出や,部分最小二乗回帰によりスペクトル情報(400 - 900 nm)から根の乾物重を推定できる手法の検討を進めた. また葉群と根群の相互作用を解明するために,当該年度の経費を一部繰り越して,光合成産物の生成,分配,再利用の動態をニラを対象に調査した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究課題は葉群と根群をそれぞれ対象とした光センシング技術の確立を目標として挙げている.研究二年目である令和4年度は,個葉の透過光のスペクトル情報から光合成パラメータ(最大カルボキシル化速度,最大電子伝達速度)の推定を達成するとともに,根群の反射光のスペクトル情報から根のバイオマス量(乾物重)の推定も達成した.また,前年度の成果(葉群の透過光スペクトル情報を利用した葉面積指数の推定および根群の反射光スペクトル情報から根の成長状態の分類)について学会発表を行い,また前者の成果については論文も出版することができた.以上の理由により,進捗状況を「おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度には,研究分担者の研究室で葉群の透過光スペクトルデータの計測・光合成産物の生成,分配,動態評価を予定していたが,当該研究室において不測の事態(新型コロナが疑われる体調不良者の発生)により,予定していた実験を実施することができなかった.そのため,当該実験にかかる経費を次年度に繰り越し,令和5年度に改めてその実験を行う予定である.
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Research Products
(16 results)