2022 Fiscal Year Annual Research Report
Tudorドメイン蛋白質群が関与するpiRNA生合成とヌアージュ形成機構の解明
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21H02401
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
甲斐 歳恵 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (40579786)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生殖細胞 / 小分子RNA / piRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度中は、現在投稿中、もしくは投稿予定の論文のためのデータ取得に注力した。1つ目は、ヌアージュに局在するRNAヘリカーゼTdrd9はTdrd5と相互作用し、ピンポン増幅に機能する蛋白質と複合体を形成し、それらと協働してピンポン増幅を推進する。これらの成果はJCB誌でレビュー中であり、2023年度前半にアクセプトを目指す。もう1つはタンパク質コード領域RNA配列に由来する新たなpiRNA種の発見で、こちらも国際ピアレビュー雑誌への投稿を目指して現在データを鋭意取得中である。その他、Tdrd4タンパク質の生化学的解析系を立ち上げているところで、将来の投稿論文の主データの取得を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
piRNA経路の中心的役割を担うPIWIファミリータンパク質のAub, Piwi, Ago3及びそれらの協働するTdrd9とTdrd5と相互作用しうるタンパク質を近位依存性ビオチン化(BioID)法により同定しており、それらの機能解析を進めつつある。2023年度後半に遺伝的手法によって機能解析を行う。また、現在、ショウジョウバエ精巣で、タンパク質コード領域のRNAに由来する新たなpiRNA種を検証している。これらのRNAシーケンスの解析が遅れ、繰越申請をすることになったが、解析を終えることができた。興味深いことにこれらはmiRNAやsiRNAによって切断が惹起されるpiRNAであり、それらの一部は、精子形成に機能するタンパク質の発現を制御する可能性を示唆するデータを得ており、今年度中に論文投稿を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、piRNAプロセシングに関わるTdrd5とTdrd9がどのようにpiRNA前駆体またはトランスポゾンRNAをピンポンサイクルへとリクルートしているかを解析するために、相互作用しているRNAをビオチンラベル法によってストレプトアビジンビーズで回収して同定を進めており、2023年度中にRNA解析を終了予定である。piRNAピンポン増幅に機能するTdrd蛋白質の1つTdrd4は、ユビキチン化経路に関与するE3リガーゼの特徴であるRING fingerモチーフを有している。Tdrd4のRING fingerの機能、特にE3リガーゼとしての役割は未だ不明である。現在、N末端側のTdrd4タンパク質を用いて、培養細胞内でユビキチン化活性の検出を試みており、予備的データを得つつある。今年度中盤までにユビキチン化活性かあるいはそれ以外の修飾活性か、結論を出し、in vitroでの活性測定法を確立する。その他、ヌアージュタンパク質の翻訳後修飾、特にユビキチン化やSmo化、Nedd化等を精査し、その就職の有無やヌアージュ形成・piRNA 生合成における機能を解析する。
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Research Products
(4 results)