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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Analysis of roles of CLE peptides as environmental mediators

Research Project

Project/Area Number 21H02500
Research InstitutionKyoto University of Advanced Science

Principal Investigator

福田 裕穂  京都先端科学大学, バイオ環境学部, 教授 (10165293)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 遠藤 暁詩  京都先端科学大学, 総合研究所, 講師 (00342759)
伊藤 恭子 (大橋恭子)  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90451830)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords植物 / 発生・分化 / シグナル伝達
Outline of Annual Research Achievements

植物は大きく変わる環境を鋭敏に感受し、適切に応答し、様々な環境に適応してきている。本研究では、CLEペプチドの環境メディエーターとしての機能とシグナル伝達について、明らかにすることを目的に研究を進め、本年度は以下の項目について成果を得た。
CLE5遺伝子は乾燥刺激により,唯一その発現が上昇する遺伝子であったことから、このペプチドについて解析を進め、昨年度は活性型CLE5pの構造を明らかにした。そして、CLE5pは2つのハイドロキシプロリンをもつ12アミノ酸であり、水酸化されていないペプチド(CLE5pH)でも活性を持つことを明らかにした。今年度はCLE5pの受容体の解明を試みた。CLE5pHを与えると根の成長が抑制されたことから、この性質を用いて、ハイスループットにCLE5p受容体を検索した。CLEpの受容体はLRR-RLKのグループに属することを参考に、我々の研究室で収集しているLRR-RLKのT-DNA挿入ラインコレクションを用いて、CLE5p非感受性になる2ラインを見出した。これらのラインは乾燥耐性にも関与することから、その原因遺伝子が受容体をコードしていると考えられた。
これまで私たちは、CLE25pは乾燥ストレスを受けると根でその量が上昇し、乾燥状態の情報メディエーター分子として地上部に伝達され、地上部での乾燥耐性を付与する因子を誘導することを明らかにしてきた。しかし、ほとんど同じアミノ酸組成を持ち、同様の機能を有するCLE26pは乾燥耐性には関与しないとされてきた。私たちは、それに疑問を持ち、今年度、集中して、このCLE26pと乾燥との関わりを解析した。その結果、CLE26pは特定の乾燥条件で根から地上部へ移動すること、一方で、根での遺伝子発現そのものは上昇しないことを見出した。そして移動したCLE26pが乾燥耐性に関与することを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は昨年度明らかにしたCLE5pの構造をもとに、合成CLE5pHを用いたハイスループットのCLE5pシグナル解析用実験系を開発した。この実験系を用いて、CLE5pの受容体候補を明らかにすることに成功した。また、これまでのCLE25pに加え、新たな乾燥シグナルメディエーターとしてCLE26pを発見した。これらの成果は新規のものであることから、研究は概ね順調に進展していると判断できる。

Strategy for Future Research Activity

1.CLE5p のシグナル解析:CLE5pの構造とその受容体候補が明らかになったので、そのシグナル伝達についてさらに解析を進める。実際、気孔におけるシグナル伝達がリン酸化を介したものであることの予備的データが得られているので、これについて明らかにする。またABAは乾燥の主要ホルモンであるので、ABAとCLE5pシグナルとの関係を明らかにすることも必要である。
2.乾燥メディエーターとしてのCLE25pとCLE26pの使い分けの解析:CLE25pCLE26pが乾燥耐性付与に異なった仕組みで関与していることから、それぞれの違いと、そのような乾燥に機能しているかを詳細に検討する。
3.まとめ:これまで解析した、CLE2p、CLE3p、CLE43p、CLE45p、CLE5p、CLE25p、CLE26pの成果をまとめ、環境シグナルメディエーターとしてのCLEペプチドの働きを概観する。

  • Research Products

    (7 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] HD-ZIP III-dependent local promotion of brassinosteroid synthesis suppresses vascular cell division in Arabidopsis root apical meristem2023

    • Author(s)
      Ohashi-Ito Kyoko、Iwamoto Kuninori、Yamagami Ayumi、Nakano Takeshi、Fukuda Hiroo
    • Journal Title

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      Volume: 3120 Pages: e2216632120

    • DOI

      10.1073/pnas.2216632120

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Spatio-temporal imaging of cell fate dynamics in single plant cells using luminescence microscope2022

    • Author(s)
      Shimadzu Shunji、Furuya Tomoyuki、Ozawa Yasuko、Fukuda Hiroo、Kondo Yuki
    • Journal Title

      Quantitative Plant Biology

      Volume: 3 Pages: e15

    • DOI

      10.1017/qpb.2022.12

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] MpBZR3 はゼニゴケの配偶子器発生を制御する2023

    • Author(s)
      古谷朋之,三枝菜摘,山岡尚平,山本千愛,島津舜治,南野尚紀,西浜竜一,石崎公庸,上田貴志, 深城英弘,河内孝之,笠原賢洋,福田裕穂,荒木崇,近藤侑貴
    • Organizer
      第64回日本植物生理学会年会
  • [Presentation] 細胞壁関連遺伝子を介した乾燥耐性の制御2023

    • Author(s)
      遠藤暁詩,福田裕穂
    • Organizer
      第64回日本植物生理学会年会
  • [Presentation] ゼニゴケ配偶子器の発生におけるMpBZR3の役割2022

    • Author(s)
      古谷朋之、三枝菜摘、山岡尚平、島津舜治、山本千愛、石崎公庸、西浜竜一、河内孝之、福田裕穂、笠原賢洋、荒木崇、近藤侑貴
    • Organizer
      日本植物学会第86回大会
  • [Presentation] 維管束幹細胞の分裂と分化を制御するサイトカイニンの機能と動態2022

    • Author(s)
      島津舜治、Alif Meem Nurani、森秀世、山田一貴、柴田恭美、古谷朋之、伊藤(大橋)恭子、石崎公庸、深城英弘、朝比奈雅志、稲垣宗一、角谷徹仁、福田裕穂、近藤侑貴
    • Organizer
      日本植物学会第86回大会
  • [Presentation] 維管束形成における HD-ZIP III の機能2022

    • Author(s)
      伊藤(大橋)恭子、岩本訓知、福田裕穂
    • Organizer
      日本植物学会第86回大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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