2021 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノム-マルチオミクス情報に基づく日本型有毛白血病の分子病態解明と標的治療開発
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21H02711
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 和明 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00647498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井元 清哉 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10345027)
木村 晋也 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359794)
石井 敬人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90814294)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 有毛細胞白血病 / 全ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、日本固有の希少がんである、HCLjvにおいてマルチオミクス情報に基づく、分子病態解明と標的治療の基盤を開発する事を目的として、以下の3STEPを順次行った。具体的には、STEP1)HCLjvにおけるマルチオミクス情報基盤の構築、では木村と石井が、HCLjv(n=10)と、欧米型であるHCLc(n=3)やHCLv(n=3)の腫瘍検体を収集した。横山が、全ゲノムシーケンス(WGS)を行い、井元がinformatics解析を担当した。これにより、4つ目の遺伝子として新規にAを同定した。変異Aに関しては、癌ではないが自己免疫分野で、de novo変異獲得による遺伝病のヒトでの既報があり、本報告をした中国の研究者にknock inマウスのphenotypeの問い合わせを行い、自然に有毛細胞白血病と類似のB細胞リンパ腫を発症するという事実が確認され、in vivoでのoncogenicityが裏付けられた。そこで横山が、STEP2にAの検証を加え、Aによるin vitroのoncogenicityを確認中である STEP2)in vitro機能解析によるHCLjvの分子病態解明では、予備検討で同定した変異の機能的意義をin vitroで検討する目的で、横山と木村が新規患者検体から細胞株樹立を試みた。 STEP3)in vivo機能解析 2021年は木村が、患者細胞を免疫不全マウスに移植し、PDX樹立を複数回試みたが、思いがけず生着が得られなかった。代案として構造変異Xを再現したconditional knock inマウスの作成を研究協力者に依頼した。 以上により日本固有の希少癌であるHCLjvにおける全ゲノム-マルチオミクス情報基盤構築に基づく分子病態解明と、日本発の遺伝学的知見に基づく疾患エビデンス創出、それに基づく独自の標的治療を開発する基盤を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
STEP2のin vitro 機能解析に必要な、モデル細胞株の樹立を試みたが、新規患者検体から細胞株樹立が困難であった。ヒト成熟B細胞株RPM1788で構造変異Xをゲノム編集で再現する手法に方針を変更した STEP3のin vivo機能解析について、R3年は木村が、患者細胞を免疫不全マウスに移植し、PDX樹立を複数回試みたものの思いがけず細胞生着が得られなかった。そこで木村らにより腎皮膜への移植などPDXの手法の改良を試みる一方で、横山は、さらに構造変異Xを再現したノックインマウスを作成し、解析する手法に方針を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
そこで本年度は、以下の対策を行う。 STEP1: 引き続き検体収集を進める STEP2:STEP2のin vitro 機能解析に必要な、モデル細胞株の樹立を目的として、患者検体からではなく、構造変異XをヒトB細胞株RPMI1788にゲノム編集でノックインした細胞株のシングルクローンを樹立し、さらにY遺伝子、Z遺伝子をウイルスベクターを用いてノックダウンし、X-Zの変異を再現したモデル細胞株を樹立する。また 2021年に新規に見つかったA遺伝子変異を導入したマウスBaf3細胞株を作成する。 STEP3の患者細胞の生着効率を高める工夫として、木村がマウス腎皮膜移植し、PDX樹立を試みる。また、これに横山が並行して、Xを再現したノックインマウスを作成する。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Unraveling heterogeneity of aged hematopoietic stem cells by single-cell RNA sequence analysis2021
Author(s)
Shuhei Koide, Motohiko Oshima, Akira Nishiyama, Koichi Murakami, Yaeko-Nakajima Takagi, Naoki Itokawa, Nozomi Yusa, Kazuaki Yokoyama, Kiyoshi Yamaguchi, Yoichi Furukawa, Arinobu Tojo, Tomohiko Tamura, Atsushi Iwama.
Organizer
第83回日本血液学会総会
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