2022 Fiscal Year Annual Research Report
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21H02716
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊田 順一 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (60710069)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 生体イメージング / シングルセル遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
破骨細胞は、単球系血液細胞から分化・成熟する多核巨細胞で、骨破壊を担う。生理的な環境下では「骨髄」にのみ存在し、骨形成を担う骨芽細胞と協調して働くことによって骨の恒常性維持に重要な役割を果たしている(骨リモデリング)。一方、関節炎などの病的状態では、関節を包む「滑膜」を主座とする慢性炎症が、骨表面の破骨細胞の形成を促し、関節周囲の骨破壊を惹起すると言われている。これまでの破骨細胞研究の多くは、固定した骨・関節組織を切り出して顕微鏡で観察していた。この方法でも、骨が壊されている部位に多数の破骨細胞が集まっている様子は観察されたが、骨髄と炎症滑膜の二つの異なる局在・微小環境で形成された破骨細胞がどのような機能的な違いを持つのかはよく分かっていない。本研究では、これまで独自に開発・応用してきた骨髄・関節の生体二光子励起イメージング技術と、新規に開発する破骨細胞の単離・オミクス解析技術を融合させ、病的な骨・関節破壊に関わる破骨細胞の分化機構・病態生理を解析して、骨・関節破壊の本質を分子レベルで明らかにするとともに、この病的な破骨細胞を標的とした薬剤の開発の実現を目指す。本年度は、病的な破骨細胞の分化制御機構と病理学的意義を明らかにするために、独自の炎症滑膜の単離プロトコールを活用してシングルセル遺伝子発現解析を行い、病的な破骨細胞の分化に関わる細胞やそれらが放出する液性因子について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独自の炎症滑膜の単離プロトコールを活用してシングルセル遺伝子発現解析を行うことで、病的な骨・関節破壊に関わる破骨細胞の分化を制御する候補分子を複数見出すことができ、本年度終了時としては順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
1~2年目で得られた知見をもとに、炎症性破骨細胞を標的とした薬剤のスクリーニング・開発を行うとともに、ヒトにおける病的骨破壊の病態生理を明らかにする。
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Research Products
(6 results)